米のTHAADシステムはイエメンのミサイルに対抗しうるか?
(last modified Mon, 06 Jan 2025 12:12:58 GMT )
1月 06, 2025 21:12 Asia/Tokyo
  • 米のTHAADシステムはイエメンのミサイルに対抗しうるか?
    米のTHAADシステムはイエメンのミサイルに対抗しうるか?

パレスチナ国民への支援のためイエメンがイスラエル占領地に対し発射したミサイルは、占領地に配備されているアメリカのミサイル迎撃システム(THAAD)が無力であることを証明しました。

【ParsToday西アジア】昨年10月1日、イランはイスラエルによる国家主権侵害およびハマスのハニヤ政治局長、レバノン・ヒズボッラーのナスロッラー事務局長、イラン革命防衛隊のアッバース・ニールフォルーシャン少将の暗殺、さらにはイスラエル軍によるガザとレバノンでの虐殺を受けて、国連憲章に定められた自衛権行使として「真の約束2」作戦を実施し、イスラエル占領地を数百発の弾道ミサイルで攻撃しました。ミサイルはイスラエルの治安・諜報関連施設を標的としたもので、発射されたミサイル全体の90%が標的に命中しました。これにより、イスラエルの防衛システムが無力であることが証明されました。

この「真の約束2」作戦後、米国はイスラエルを支援すべく、同占領地にTHAADシステムを配備しました。イスラエルメディアはTHAAD配備を大々的に報じましたが、イエメンの弾道ミサイル「パレスチナ2」が占領地テルアビブを標的とした攻撃に成功したことで、THAADでさえも無力であることが証明されました。

では、THAADとはどのようなシステムなのか? この記事ではその特徴について説明していきます。

THAADは米国製で、戦闘地域や重要な人口密集地、機密インフラ施設に駐留する部隊を、大気圏内外の短、中、長距離弾道ミサイルから防御するように設計されています。

 

沿革と経緯

米国議会は1991年、国家ミサイル防衛法を可決しました。この法律によれば、米国は90年代半ばまでに緊急事態や作戦に使用できる防衛システムを獲得するはずでした。

1992年、米国防総省は戦域高高度防衛という名のプロジェクトを契約額6億8900万ドルで同国ロッキード・マーチン社に発注しました。プロジェクトの第1段階は1995年、このシステムの最初の飛行試験で始まり、1999 年まで続きました。これらのテストから得られた結果は非常に貴重であり、それらを使用してTHAAD ミサイルが再設計されました。プロジェクトの第2段階は計画通り西暦2000年に開始され、最終的に2008年に米国は最初のTHAAD配備部隊を正式に運用開始しました。2000年の第2フェーズ開始から2013年まで、このシステムは12回のテストに1度の失敗もなく合格しました。

 

構造

THAADには「レーダー」「指揮統制所」「発射装置」「迎撃ミサイル」の4つの主要な部分から構成されています。

 

レーダー

THAADのレーダーは、世界で最も先進的なレーダーの1つとされ、1000キロ離れた標的を察知、および追跡する能力があります。

 

発射台

THAADの各発射台は8発のミサイルを搭載しており、30分以内に発射準備が整います。またミサイルの充填も30分以内に完了します。

 

迎撃ミサイル

THAADの迎撃ミサイルは長さ6.17メートル、直径37センチ、重さ900キロ、射程200キロで、全体の構造には推進剤、分離モーター、弾頭が含まれます。迎撃ロケットの推進剤は、マッハ8.24まで加速する単段固体燃料ロケットモーターです。

 

THAADの保有国

THAADは製造国である米国に加え、UAE・アラブ首長国連邦、サウジアラビア、イスラエルも、韓国も保有しています。

 


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