イスラエル経済に立ちはだかる新たな課題:軍の立て直しから治安維持の支出まで
(last modified Mon, 13 Jan 2025 09:54:45 GMT )
1月 13, 2025 18:54 Asia/Tokyo
  • イスラエル経済に立ちはだかる新たな課題:軍の立て直しから治安維持の支出まで
    イスラエル経済に立ちはだかる新たな課題:軍の立て直しから治安維持の支出まで

2023年10月7日から始まったハマスとの戦争で、イスラエルは多大な人的、軍事的、物的損失を被ったのみならず、今後10年間の安全保障および軍事予算の大幅な増加を強いられています。

【ParsToday西アジア】イスラエル経済紙「ザ・マーカー」は、イスラエル銀行の評価を論拠として「ガザ戦争の費用は直接的な戦争費用、民間向け支出、損失などを含めて、これまでにイスラエルに約2500億シェケルの負担を強いている。しかし、この数字はあくまでも、イスラエル政府が被った経済的惨事の氷山の一角に過ぎない。それは、イスラエルが市民に何らかの安心感を与えるために、はるかに多額の予算を費やさねばならないからである」と記しました。

こうした中、イスラエル政府が設置した諮問機関であるナゲル委員会は、軍事予算を今後10年間で2750億シェケル増額するよう勧告しました。これは、予算総額が1兆シェケルに達するまで毎年275億シェケルずつ増額するというものです。これにより、イスラエルの軍事費はこれまで市民一人当たり7000シェケルの負担であったのが、今後は1万シェケルになる可能性があります。

ザ・マーカーは、この軍事費増額について「財源が不明」とし、イスラエル財務省がこの点に関していくつかの提案を出しているものの、政府は財源について明白な策を示していないと報じています。

イスラエルのもう一つの重要な経済課題は、負傷したイスラエル兵士の治療とリハビリにかかる費用がますます増加していることです。具体的には、これは現在の30億シェケル(約8億ドル)から2034年には80億シェケル(約21億ドル)にまで増大すると予想されています。

こうした状況の中、イスラエルのヘルツォグ大統領は11日、「戦争はイスラエルに重く、非常に痛ましい犠牲を強い続けており、過去1週間だけで兵士10人が死亡した」と発表しました。

ガザでは依然としてイスラエルによる戦争と犯罪が続いており、複数のイスラエルメディアはすでに、イスラエル軍が死傷者数の発表において厳しい検閲を行っていることを指摘しています。こうした措置は、この戦争における軍の死傷者数が多く、市民からさらなる反発が起こることへの恐れから講じられたものです。

 


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