ハマスはどのような再建能力を持っているのか?
(last modified Thu, 06 Feb 2025 08:29:55 GMT )
2月 06, 2025 17:29 Asia/Tokyo
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    ハマスはどのような再建能力を持っているのか?

イスラエル各メディアが軒並みハマスの再建能力に驚きを示しています。

【ParsToday西アジア】イスラエルは15カ月以上にわたってガザ地区に戦争を仕掛け、その間にガザの人々に対する前例のない大量虐殺を引き起こしました。さらに、ガザのインフラは完全に破壊されています。イスラエルはこの戦争の最も重要な目標の一つにハマスの殲滅・抹殺を掲げていました。

イスラエルとハマスの停戦から約3週間が経過した現在、ハマスがガザにおける自らの地位を回復しつつあるいくつもの兆候が明らかになってきている中、シオニスト系の様々なメディアや要人らはこうしたハマスの能力を認めざるを得なくなってきています。

イスラエル人ジャーナリストのアルモグ・ボカー氏は、「ハマスが72時間で自らを立て直し、ガザ地区を掌握できたのは驚くべきことだ。どうやら、我々が自分たちの作り話をやめる時が来たようだ。ハマスはガザ地区を完全に支配している」と語りました。

元イスラエル諜報機関シンベトの高官だったモシェ・ボザイロフ氏も、この点について「ハマスを倒したと主張する者は妄想に陥っている」と述べました。また、イスラエル軍の退役将軍アミール・アヴィヴィ氏も、「ハマスの勢力再建のプロセスがイスラエル軍によるハマス破壊のプロセスを上回っている状況にある」と認めています。

イスラエル紙イディオト・アハロノトは、「人質交換の際に見られたハマスの軍事パレードの光景から、15カ月の戦争を経てもなおハマスがガザ地区で影響力ある勢力とみなされていることに疑いの余地はない」と強調しています。また同紙は西側当局者の話として、「ハマスはガザ地区の一部の情勢管理能力をほぼ回復できている」としています。

ここで浮かぶ疑問は、ハマスにどの程度の自己再建能力があるのかということです。この疑問に答えるにはまず、停戦が成立しハマスが市民に広く歓迎されたことを指摘する必要があります。この大衆の支持により、ハマスは新たなメンバーを募集し、人材面の課題の迅速な解消に成功しました。また、もう一つの重要な能力は、ハマスの権力構造の中に複数の指導者が存在しており、これにより組織内の指揮官の喪失が目につかなくなることです。実際に現在ハマス政治局長を務めるムハンマド・シンワル氏は、兄のヤヒヤ・シンワル氏の殉教後、新メンバーの募集など、ハマスの軍事組織において重要な役割を果たした指導者の一人です。

米紙ウォールストリート・ジャーナルは、「ハマスは勢力を立て直し、イスラエルによる大規模な攻撃にもかかわらず新たな人員の獲得に成功している」と報じました。同紙はさらに、このプロセスを主導する上で故ヤヒヤ・シンワル元政治局長(2024年10月に殉教)の弟であるモハンマド・シンワル氏の役割を指摘しています。そして、ハマスが持つもう一つの重要な能力として、他のパレスチナ抵抗組織にはない方法でガザ地区の情勢を統治する力が挙げられます。

この点に関して、情報筋は「ハマスが支援隊の車列を攻撃していた犯罪集団を排除し、イスラエル軍の面前で支援物資を略奪していた窃盗犯をイスラエル軍の干渉なしに制圧することに成功した」としています。ハマスのこうした能力・地位により、イスラエルは今後もハマスからさらなる驚愕的な要素を見せつけられることになると思われます。

 


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