イスラエル人専門家「ハマスは依然勢力維持・イスラエルに対抗能力なし」
(last modified Sun, 01 Jun 2025 10:22:43 GMT )
6月 01, 2025 19:22 Asia/Tokyo
  • イスラエル専門家のアヴィ・イサホロフ氏
    イスラエル専門家のアヴィ・イサホロフ氏

イスラエル当局者がハマスに対する前例のない圧力について語る中、イスラエルの専門家たちからは、ハマスは依然として抵抗を続けており、崩壊や降伏の兆しは全く見られないといった意見が出ています。

イスラエルのアヴィ・イサホロフ氏は、現地紙「イェディオト・アハロノト」への寄稿で、米政府のスティーブ・ウィトコフ西アジア担当特使が提案した停戦案に対するハマスの最近の反応について、「ハマスの反応は、イスラエル国内での一部の主張、すなわちハマスが極度の圧力を受けて崩壊に近づいているという見方に反して、まだそのような事態が起きていないことを明確に示している」「ハマスは依然として降伏や武装放棄に向けた意向を示していない」としました。

また、同紙の別のアナリストであるアサヴ・メイダニ氏は、イスラエル政権内部の状況が非常に脆弱であると説明し、「イスラエルはもはや数カ月以上続く行き詰まりに耐える力を持っていない。軍事面でも、南部と北部の地域の再建においても、国内の政治面でも、西側からの圧力に直面している状況でも、耐えられないということだ」と記しています。

メイダニ氏はその上で、「これらすべての問題は、ネタニヤフ首相が自身の政治生命を維持することだけを目的にしていることで、より深刻化している」としました。

こうした見方は、ハマスとイスラエルの間での停戦交渉が依然として行き詰まっており、アメリカの仲介もまだ具体的な成果を出していない中で提起されています。この間、ハマスのアメリカからの提案に対する反応は、ハマス恒久的停戦と封鎖解除という要求にあくまでこだわっていることを示していますが、イスラエルは依然としてそのような条件を受け入れることを拒否しています。

ハマスは31日午後、ウィトコフ氏の停戦案に対する回答を発表しました。

これに対し、ウィトコフ氏はハマスの回答を「全く受け入れられない」として、ハマスが停戦交渉を後退させたと主張しました。

しかし、ハマスはこの提案を拒否したという主張を否定し、「我々の回答は、議論されていた合意の枠組みの中で行われたものであり、逆にイスラエルが合意内容に反する回答を出した」と反論しました。

ハマスは公式声明で、「ウィトコフ氏のハマスに対する立場は不公平で完全に偏っており、仲介者として求められる中立性を侵害している」と明言しました。

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram     Twitter