サウジアラビアの宮殿近くの銃撃と、この国の政府の困惑
情報筋は、21日土曜、サウジアラビア・リヤドにある宮殿近くでの銃撃や爆発の映像を公表しました。
この報道を受け、この事件に関するさまざまな情報が発表されました。サウジアラビアのサルマン国王とムハンマド皇太子は、現場から避難したとする情報もあれば、国王と皇太子は、アメリカ軍が直接管轄する、リヤド近郊の軍事基地に移動したとの情報もあります。一部では、この国のクーデターの可能性があり、サウジアラビア政府は、それを隠蔽しようとしていると伝えられています。
レバノンのアルアハドは、シオニスト系の新聞、マアーリヴの報道として、今回の銃撃は、サウジアラビアの王子たちの衝突に関するもので、彼らの対立による可能性があると伝えました。
サウジアラビア政府の当初の沈黙や遅い反応、その後の矛盾した情報などが、これに関する憶測を煽っており、この事件に関するサウジアラビア政府の隠蔽に対する疑いが高まっています。この出来事の数時間後、サウジアラビアの国営通信は、リヤドの警察の話として、激しい銃撃の理由は、宮殿周辺の無人機の飛行だったとしました。しかし、多くのメディアは、無人機に対してこれほど多くの銃撃が行われるのは考えにくいとしています。
この事件に関して注目に値するのは、サウジアラビアのクーデターの可能性に対する、サウジ王族の強い懸念です。サウジアラビアでは、皆が、サルマン国王とムハンマド皇太子を退陣させるための軍事行動が、いつ起こってもおかしくないと考えているようです。ムハンマド皇太子は、サウジアラビアの政界で勢力を伸ばしており、権力争いを高めるような行動をとっています。そのため、ムハンマド皇太子は、常に、王族のライバルたちによるクーデターの危険にさらされており、悪夢のような生活を送っています。
ムハンマド皇太子は、最近、国内外で数多くの反対に直面しており、彼によって逮捕された王子やパレスチナの理想を支持する人々は、ムハンマド皇太子を、シオニスト政権イスラエルの合法性を訴える人物と見なしています。ムハンマド皇太子の国内の反対者たちも、彼の、改革と称する世俗主義的な政策に強く反対しており、また、イエメンの戦士たちもムハンマド皇太子に反発しています。
今回の、リヤドの宮殿近くで起こった銃撃に関して提起されているもう一つのシナリオは、今回の出来事が、ムハンマド皇太子に近い政権関係者による計画的な見世物だった可能性がある、というものです。これによれば、ムハンマド皇太子は、国の安全保障を高めるためと称し、弾圧や逮捕のための権限を拡大するとともに、最近、噂さされている次期国王の座に就くための下地を整えようとしています。
サウジアラビアの宮殿近くで起きた激しい銃撃は、その理由が何であれ、サウジアラビアの政権の当惑と、無人機の侵入によってこれほど安全保障が脅かされるような、この国の脆さを示しています。この出来事は、サウジアラビアに安全な場所はないことを示しました。このような安全保障上の脆さは、サウジアラビアのダーランでアラブ連盟首脳会議が開催された数日後に露呈されました。この会議は、イエメンのフーシ派によるミサイル攻撃を恐れ、首都のリヤドではなく、東部のダーランで開催されました。