「国境なき医師団」が、イエメンでの保健医療体制の崩壊を警告
6月 14, 2020 21:54 Asia/Tokyo
国際NGO・国境なき医師団(MSF)のイエメン事務局長は、戦災禍のイエメンの保健医療状況が、新型コロナウイルスの蔓延により、これまで以上に危機的な状況となっていることを明らかにしました。
ファールス通信によりますと、Chlorine Heidwong・MSFイエメン事務局長は、「過去5年間の戦争により、イエメンの保健医療システムの多くが崩壊し、また新型コロナウイルスの蔓延がこの状況に追い討ちをかけている」と述べています。
また、イエメンでの医療器材や保健衛生部門のスタッフの不足、およびこれがイエメン市民の死亡率の高さに大きく関与していることに懸念を示し、国連やそのほかの各国に対し、イエメンでの医療器材・資金の援助に向けた行動を起こすよう求めました。
UNDP国連開発計画は最近、「イエメン人のうち、2000万人以上が慢性的な飢餓に苦しんでおり、また新型コロナウイルス感染の危険に瀕している」と述べています。
サウジアラビアは、アメリカ、アラブ首長国連邦、およびそのほかの数カ国の支援を受けて、2015年3月からイエメンを軍事攻撃し、全面的に封鎖しています。
この戦争で、イエメンではこれまでに数万人が死亡したほか、数百万人が難民化しています。
サウジアラビア主導のこの戦争で、アラブ圏最貧国のイエメンはさらに、食糧や医薬品の深刻な不足の事態に直面しています。
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