国際人権団体HRWとイエメン・シーア派組織が、人権侵害者リストからのサウジ除外に抗議
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サウジアラビア主導連合軍の戦闘機
国際人権団体ヒューマンライツ・ウォッチ(HRW)とイエメンのシーア派組織アンサーロッラーが、児童殺害に関する国連事務総長の報告から、サウジアラビアへの言及が脱落していることを非難しました。
グテーレス事務総長は国連安保理への年次報告において、「サウジアラビア主導アラブ連合侵略軍は、空爆の結果によるイエメン人の子どもの死亡や、四肢欠損などの例が減少したことを受け、ブラックリストから除外される」と語っています。
また、「サウジアラビア主導連合軍は、子どもを守るための措置を講じている」と述べました。
国連は2017年10月、イエメン国内の数十の学校への攻撃、また少なくとも683人のイエメン人の子どもの殺害を理由に、サウジアラビア主導アラブ連合軍を、子どもの権利侵害者のブラックリストに加えていました。
アラビア語のニュースサイト・アラビー21が16日火曜、報じたところによりますと、HRWは声明を発表し、グテーレス国連事務総長の年次報告においてサウジ主導アラブ連合軍が子どもの権利侵害者リストから削除されたことを批判し、「グテーレス事務総長のこの措置は、人権分野での努力に向けた要請とは嚙み合わない」と表明しています。
また、「このような措置は、子どもの権利の侵害者の処罰という方針にグテーレス事務総長が果たしてしたがっているのか、という疑問を提起させるものだ」とされています。
さらに、「グテーレス事務総長は報告書の中で、アメリカやシオニスト政権イスラエルの人権侵害行動を無視している」としています。
イエメン革命高等評議会のムハンマド・アリー・フーシ委員長も、イエメンでの子どもの人権侵害者リストからのサウジ主導連合軍の削除の取り消しを求めました。
また、イエメンでのサウジ主導アラブ連合軍の犯罪に触れ、国連の今回の行動が犯罪に値し、また人道的な基準を無視していることを物語っているとしています。
さらに、「アラブ連合軍が相手方のイエメン北部サアダ州各地を攻撃し、女性や子ども数名を含む民間人13人を殺害したのと同時期に、国連は今回の措置を発表した」と語りました。
国連関係者は、サウジアラビアからの資金援助に魅せられ、この種の媚び諂いに出たと非難されています。
アラブ連合軍による攻撃の主な犠牲者は、イエメン人の子どもたちだとされています。
イエメン保健省は最近、「毎年少なくとも10万人のイエメン人の子どもが、戦争や封鎖、栄養不良、必要や医薬品の不足により命を落としている」と表明しています。
サウジアラビアは、アメリカやアラブ首長国連邦など数カ国の支援を得て、2015年3月からイエメンを軍事攻撃し、この国を全面的に封鎖しています。
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