西アジアで大規模な砂塵発生;イラン含めた各国で影響相次ぐ
この数日間続いている砂塵の発生により、イランおよびその西側に位置するシリア、イラク、クウェート、ヨルダンなどの国々からその影響が相次いで報告されています。
砂塵はこの数ヶ月、一部の西アジア諸国で前例のない頻度で発生しています。専門家らは、その原因が気候変動、降水量の減少、砂漠化、トルコでのダム建設にあると指摘しています。
西アジアで最近起きている砂塵は、トルコの大規模ダム建設の最初の産物と言えます。国際的サイトにある砂塵の動きを追跡する地図からは、今回の砂塵は最初にイラクとシリアの大半を覆った後、イランに入ったことが分かります。
イラクでは、砂嵐により呼吸に問題を起こした数千人もの人々が病院に押し寄せました。
シリアでも、数百人が来院したほか、一部地域での砂嵐の影響により9人が死亡、数人が負傷しました。
クウェートでは、塵埃濃度の上昇により見通しがきかなくなったため、首都にある国際空港でのフライトが一時的に停止されました。
イランでは17日火曜、テヘランを含む西部地域の空気中の塵埃濃度が上昇したため、政府が学校・大学および政府機関を休みにすると発表しました。
イラクメディアは16日月曜、同国の首都バグダッドが厚い砂塵の層に覆われたほか、クルディスタン地域のシーア派聖地・ナジャフやスライマニヤを含む多くの都市で、黄色やオレンジ色の砂が建物の屋根や車の上を覆ったうえ、家屋内部にも入り込んだと伝えています。
今回の状況の原因には、気候変動によって過去10年間に引き起こされた大気の状態のほか、イラク西部、特にアンバール県での旱魃、トルコでのダム建設の影響によるイラク国内の水不足や農地の放棄などが挙げられます。