米モデルナ、ワクチン巡る特許侵害でファイザーを提訴
米バイオ医薬大手モデルナが、ワクチンをめぐる特許侵害を理由として米ファイザーと独ビオンテックを提訴しました。
ロイター通信が26日金曜、報じたところによりますと、米バイオ医薬大手のモデルナは同日、米国で承認された新型コロナウイルスのワクチンを巡り自社が開発した「メッセンジャーRNA(mRNA)」と呼ばれる技術を模倣したとして、米ファイザーと独ビオンテックを提訴しました。
この問題についてモデルナは損害賠償を求め、米マサチューセッツ州の連邦地方裁判所に加えてドイツのデュッセルドルフ地方裁判所にも提起しますが、損害賠償額は未確定としています。
モデルナのステファン・バンセルCEO最高経営責任者は「数十億ドルを投じ、特許を取得した革新的なmRNA技術を守るために提訴した」と説明する一方で、ワクチン接種をやめさせることは意図していないと語りました。
これに対し、ファイザーの広報担当は電子メールの声明で、訴状を精査中としつつも、ファイザー・ビオンテック製コロナワクチンが「ビオンテック独自のmRNA技術に基づき、ファイザー・ビオンテック両社によって開発されており、今回の訴訟に驚いている」とコメントしています。
ビオンテックもこの訴訟を「残念」とした上で、この技術は同社独自のものだと断言。「特許侵害の疑いに対しては断固として戦う」としました。
米株式市場では、ファイザーの株価が2.2%、モデルナが3.7%それぞれ下落したしたとともに、ビオンテックの米国預託証券は4%安となっています。
ファイザー社およびモデルナ社製の新型コロナウイルス予防ワクチンは、いずれも海外からの日本帰国・入国に際して、日本の厚生労働省が有効と認めるワクチンに含まれています。