リビア首都で、武力衝突により23人死亡
(last modified Sun, 28 Aug 2022 04:42:40 GMT )
8月 28, 2022 13:42 Asia/Tokyo

北アフリカ・リビアの首都トリポリで27日土曜、武力衝突が発生し、少なくとも23人が死亡ました。

フランス通信が28日日曜、報じたところによりますと、東西で国家分裂状態にあるリビアの首都トリポリで27日土曜、暫定統一政府と代表議会の支援勢力同士が衝突し、少なくとも23人が死亡、6か所の医療施設が攻撃を受けました。

この衝突により、トリポリの複数の地区で今月26日夜から27日にかけ、小規模の銃撃や爆発が発生し、攻撃を受けた建物からは煙が立ち上る様子が確認されているということです。

但し、27日夜までに状況は沈静化した模様です。

リビア保健省は最新情報として、この衝突で23人が死亡、140人が負傷したと報告しました。

現在リビアでは国の統治や豊富な石油資源をめぐり、東西にそれぞれ拠点に置く政治勢力同士が対立しています。

このため、リビアでは政治情勢の緊迫化を背景に新たな大規模紛争に発展する恐れも浮上しています。

西部のトリポリに拠点を置くのは、先の内戦後に国連主導の和平交渉の一環で設置されたアブドルハミド・ドベイバ首相率いるGNA「国民統一政府」です。

一方、東部には、代表議会や、ハリファ・ハフタル司令官率いる軍事組織が拠点を置き、ファトヒ・バシャガ元内相を暫定首相に据えています。

UNSMIL国連リビア支援団は、民間人が居住する地区で無差別の砲撃が行われているとして、双方に「即時停戦」を求めました。

さらにGNAによりますと、今回の衝突はトリポリでの武力衝突の回避を目指す交渉決裂後に起きた、とされています。

なお、TICAD第8回アフリカ開発会議出席のため、開催地チュニジアを訪問中のムハンマド・ユーニス・メンフィ・リビア首脳評議会議長は日本時間の27日、日本の岸田首相とリモートによるテレビ会談を行っています。

リビアでは、2011 年に元独裁者ムアンマル・カダフィ氏による政権が打倒されて以来、2つの政府が成立し、東西に分裂した形となりました。

当初は、トリポリ(リビア西部)のファイエズ・アル・サラージ氏が率いる国家統一政府がリビア正式政権として国連に承認されましたが、一方同国東部は同国の退役軍人であるハリファ・ハフタル将軍が制圧し、政府を発足させています。

このように、国内で2つの政権が並立した形となったことから、リビアは混乱と内戦にさらされました。

昨年(2021年)10月、ついにこれらの東西2大勢力は、流血を伴う衝突の後、国連の調停で停戦に合意しました。

 

 


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