ブラジル部族最後の生き残り「穴の男」が死亡
8月 30, 2022 18:21 Asia/Tokyo
ブラジルの先住民で未接触部族の最後の生き残りとされ、「穴の男」と呼ばれていた男性が死亡しているのが確認されました。
フランス通信が30日火曜、FUNAI国立先住民保護財団の発表として報じたところによりますと、この男性は外界と接触がない未接触部族の最後の生き残りで、26年間1人で暮らしていました。
FUNAIによりますと、この男性は今月23日、ボリビアと国境を接するブラジル・ロンドニア州の先住民居住区タナルにある小屋のハンモックで亡くなっているのが発見されたということです。
男性以外の部族のメンバーは、牧場経営者や違法採掘者により殺害されており、この男性は1人になってからは外部との接触を一切拒否し、自給自足の生活を送っていました。
なお、この男性の名前や年齢は分かっておらず、自分で建てた小屋の中に深い穴を掘っていたことから「穴の男」と呼ばれており、掘った穴は動物を捕ったり、自分が隠れたりするためのものだったとみられます。
先住民の権利擁護団体「サバイバル・インターナショナル」によりますと、この男性の住む先住民居住区はブラジルのアマゾン熱帯雨林の中でも危険な地域で、広大な牧場に囲まれ、違法採掘・伐採業者の脅威に常にさらされていました。
当局は男性の死因について明らかにしていませんが、暴力を振るわれた形跡はなく、小屋やその周辺に人がいた証拠もないとされ、FUNAIは、自然死だとしています。
地元メディアは、男性の体がコンゴウインコの羽根で覆われていたと報じており、このことから専門家は、男性が自らの死を予期していたと推測しています。