世界の指導者が故ゴルバチョフ氏に哀悼の意を表明 (動画)
ミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領が30日火曜に死去したことを受け、各国・機関の指導者が弔意を表明しました。
フランス通信が31日水曜、報じたところによりますと、国連のグテーレス事務総長は30日、ゴルバチョフ氏の死去を受けて「深い悲しみを覚える」と声明を発表し、同氏を「(米ソ)冷戦の平和的終結に誰よりも貢献し、歴史の流れを変えた唯一無二の政治家だ」とたたえ、遺族やロシア国民、露政府に「哀悼の意」を表しました。
バイデン米大統領は、ゴルバチョフ氏を「卓越したビジョンを持った人物だった」、「核軍縮やソ連の民主化を進めた希代のリーダー」と称え、「ゴルバチョフ氏の家族や友人、より良い世界を求める彼の信念から恩恵を受けた世界中の人々に、深い哀悼をささげる」としています。
EU・欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長は、「信頼され、尊敬された指導者」だったとし、「自由な欧州への道を開いた」と述べました。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、「ロシア国民に自由への道をもたらすとともに、欧州の平和を守り抜くことにより、共有している歴史を変えた」と表明しています。
英国のボリス・ジョンソン首相は、「プーチン(ロシア大統領)によるウクライナ侵略が行われている今、ソビエト社会の開放に向けた(ゴルバチョフ氏の)たゆまぬ努力は、私たち全員にとって模範であり続ける」と語りました。
また日本の報道各社によりますと、岸田首相は31日水曜の記者会見で、ゴルバチョフ元ソ連大統領の死去を受け「大きな戦略的ビジョンと果断な実行力で果たした役割は大変大きなものがある。ご功績をしのび、謹んで哀悼の意を表したい」と述べています。
また「第二次世界大戦後の欧州の分断と東西対立の克服に重要な役割を果たし、米ソ間では歴史上初めて核兵器の削減に合意し冷戦を終結に導いた」、「日本との関係でも1991年に国家元首として初めて来日した際、長崎を訪問したほか、大統領退任後の92年には広島を訪れた」と振り返り、「核廃絶に賛同する世界のリーダーとして大きな功績を残された」とコメントしました。
そして、1992年4月の広島市来訪時に面会した平岡敬元市長(94)も、「情報公開を進めるなどし、冷戦を終わらせ新たな時代を開いた人だった」と悼んでいます。
ゴルバチョフ氏は、今月30日にロシア・モスクワ市内の病院で死去しました。
ロシア・タス通信によりますと、ゴルバチョフ氏はモスクワのノヴォデヴィチ墓地に、1999年に亡くなった妻のライサさんと隣り合わせに埋葬されるということです。