米太平洋陸軍司令官、「太平洋地域で中国の影響力に対抗」
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米太平洋陸軍司令官のチャールズ・フリン氏
米太平洋陸軍司令官のチャールズ・フリン氏が、「米国は中国の影響力に対抗するために太平洋地域の国々との関係を改善し、合同軍事演習の規模を拡大しようとしている」と語りました。
米ディフェンスニュース(Defense News)によりますと、フリン氏は「ここ(太平洋地域)には欧州にあるようなNATO北大西洋条約機構はない。そして、ここに今後NATOが存在することもない。これは、我々の前に立ちはだかる課題が何倍も困難であることを意味している」と述べています。
そして、その理由として「我々は同盟国とパートナーのネットワークを1つのメカニズムに統合しなければならないからだ。われわれはこれを主に『パスウェイ作戦(Operation Pathways)』などの地域における合同演習を通じて行う」としました。
フリン氏の話では、これらの演習は相互運用性の向上や、さまざまな国の軍の共同準備態勢の強化を目的としているということです。
米国は今年、パスウェイ作戦の一環としてインドネシアで実施された合同軍事演習「スーパー・ガルーダ・シールド(Super Garuda Shield)」で、地域における自国の駐留を強化しました。
フリン氏は14か国が参加したこの演習について、「パートナーと同盟国の団結が一目見ただけではっきりとわかる指標」となったとの見方を示しています。
なお、ロシア外務省はこれに先立ち、「アジア太平洋地域でNATOの能力をあらゆる手段を使って促進する路線はすでにはっきりと形成されており、それはスペインの首都マドリードで去る6月に開催されたNATO首脳会議で示された、NATOの『責任範囲のグローバル化』によって証明されている」と表明しています。