ボルトン米元大統領補佐官、「我が国のミサイル防衛は希薄」
-
アメリカのミサイル防衛(MD)システム
トランプ前米政権で国家安全保障担当大統領補佐官を務めたジョン・ボルトン氏が、自国のミサイル防衛(MD)システムについて、中国やロシアから生じる可能性があるミサイルの脅威に対抗できる状態にないとの見方を示しました。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが13日、報じところによりますと、ボルトン氏は、米国のMDシステムは「気が滅入る状態」にあり、「弾道ミサイル攻撃から(米国を)守ることはできない」としました。
また、ホワイトハウスは「ミサイル防衛の改善を優先課題」にするべきだとし、イランが同国初の極超音速弾道ミサイルを開発したという最近の報道や、北朝鮮のミサイル発射および核計画に注意を向けました。
イランイスラム革命防衛隊のアミールアリー・ハージーザーデ航空宇宙部隊司令官は今月10日、自国で極超音速ミサイルが開発されたことを明らかにし、「この新型ミサイルは、すべてのミサイル防衛システムをかいくぐることができる」と説明しています。
ボルトン氏はさらに、「米国が 弾道弾迎撃ミサイル制限条約から脱退して20 年が経過しても、米国のミサイル防衛がいかに希薄な状態にあるかについて、ワシントンに弁解の余地はない。(中略)われわれのライバルが極超音速やその他の脅威をもたらす新技術を開発している間に、米国の抑止力および軍事手段によって対称的に対応する米国の準備態勢は低下しただけだった」と述べました。
米戦略軍司令官のチャールズ・リチャード海軍大将も、これに先立って同様の懸念を示しており、中国・ロシアに対する封じ込め能力の低下について深刻な懸念を表明しながら、ウクライナ紛争は米国の軍事的脆弱性を露呈したと指摘していました。