欧州が、早急かつ完全な核合意復活を強調
オーストリア駐在のバーゲルプール・イラン大使が、「ヨーロッパは核合意に関するアメリカのアプローチに同意しておらず、アメリカとは異なり、同合意の早急で完全な復活を強調している」と語りました。
バーゲルプール大使は3日金曜、ツイートを投稿し、「最近、ヨーロッパの一部の思想家や政治家と行った会談からは、ヨーロッパが米とは違い、ウクライナ戦争の長期化を、自らの安全保障や経済面での利益に沿ったものと考えてはいないことが見て取れた」と述べました。
また、「ヨーロッパは、シオニスト政権イスラエルの新閣僚の挑発行為により緊張が高まると予想し、それに対して懸念を抱いている」としています。
イランのライースィー大統領も、「ヨーロッパが相次いで、交渉実施を求めるメッセージを送ってきている」としています。
バハードリージャフロミー・イラン政府報道官も3日、「政府は、交渉を4あるいは5ヶ国だけに限っておらず、特に近隣諸国をはじめとする各国と経済関係を樹立しようとしている」と述べました。
イランに対するアメリカの「最大限の圧力」政策は、バイデン大統領の就任した2021年には、その目標を達成できない状態となっていました。この政策は、アメリカに有利な新たな核合意締結に失敗しただけでなく、大西洋の両側をはさんだ国々の間に分裂を引き起こし、アメリカの外交の主要なツールの1つである制裁の効力を危機に直面させたほか、イランでの覇権主義排斥の流れを加速させることとなりました。
イランは、制裁解除後の検証、核合意存続の保証の獲得、IAEA国際原子力機関の保障措置をめぐる主張の撤回を、制裁解除交渉における主要な要求として提示しており、「核合意への復帰は、それがいくつかの制限と引き換えにイラン国民に具体的な経済的利益を与えるような、論理的と見なされる双方向的なものとなった場合にのみ、受諾可能となる」と強調しています。