ポルトガルのカトリック教会で、4815人が性的虐待の犠牲に
ポルトガル国内のカトリック教会で数十年にわたり聖職者による性的虐待が繰り返されていたことを、調査委員会が報告しました。
ファールス通信によりますと、これらの被害の実態を調査していた独立調査委員会は13日月曜、「ポルトガルのカトリック教会当局は1950年以降5,000人近くの未成年者らを性的に虐待してきた」と発表しました。
また、香港の英字新聞サウスチャイナ・モーニング・ポスト紙によりますと、子供や未成年者に対する性的虐待は世界中のカトリック教会でこれまでに数千件が明らかになっており、カトリック教会の総本山のトップ・ローマ教皇フランシスコは、これらのスキャンダルへの対処を迫られていますが、今回のポルトガルの調査では、同国の教会で相当件数の性的暴行が行われたことが発覚して追い討ちをかけました。
ロイター通信などによりますと、これらの事件の加害者の77%は聖職者であり、被害者の57%は男性で、虐待の大半は10〜14歳の時に行われ、最も幼い被害者は2歳だったということです。
調査委員である児童精神科医のペドロ・ストレヒト氏は記者会見で、複数の教会で少なくとも4,815件の性的暴行が確認されたとした上で、こうした事件が数十年も続いていると述べました。
ポルトガルのカトリック教会では、若い修道女でさえ性的暴行の対象となっているのが現状です。これについて、元修道女だった同国のある女性は「人口の80%がカトリック教徒であるポルトガルでは、これらのことについて話すのは非常に難しい」と語りました。
なお、ポルトガルの司教協議会の代表は「報告書は厳しく悲劇的な現実を表している。全ての犠牲者に許しを請う」と表明しています。