ロシアが安保理緊急会合で警告、「朝鮮半島の緊張が激化」
ロシアのドミトリー・ポリャンスキー国連次席大使が、同国として朝鮮半島と北東アジア諸国の安全を脅かすいかなる軍事活動にも反対するとし、朝鮮半島での緊張激化に関して警告しました。
北朝鮮は現地時間の20日月曜、2発の弾道ミサイルを発射しました。これらのミサイルは日本海(韓国側名称;東海)に向かって発射され、日本のEEZ排他的経済水域の外に落下しました。
ポリャンスキー次席大使は、現地時間20日に開催された国連安全保障理事会の緊急会合において、「ロシアはすべての当事者に自制を示し、対話の再開へ向けた用意があることを実質的な手段で確認する必要性を繰り返し指摘してきた。しかし一方で、北東アジアにおいて軍事活動は急激に増加している。状況を悪化させ、朝鮮半島問題の政治的・外交的解決を遠ざけるだけだ」と述べています。
また、反北朝鮮という明白な方向性を持つ米国の「傘下」にある地域諸国が、前例のない軍事行動を起こしていることに対し、「北朝鮮はミサイル実験で対応している」とし、「エスカレーションのさらなるスパイラルは、事態が制御不能になる危険なラインにますます近づいてしまう」と強調しました。
そして、「2018年から2019年にかけて北朝鮮がとった措置は、実現すれば地域の状況が大きく改善する可能性があった。しかしながら、時間を追ってこれらの措置が米国やその同盟国により無視されたことを遺憾に思う」と語りました。
さらに、「北朝鮮が米国に対して行った、敵対行為の停止や圧力増大の停止という要求は無視され、交渉の機会が失われた」としています。
続けて、「今の道筋が行き詰まっており、世界の平和と安全に対する直接的な脅威となっていることは一目瞭然だ」と語りました。
北朝鮮軍は今月19日、自国政府の核抑止力強化を目的とした「抜き打ち発射」訓練中に大陸間弾道ミサイル・火星15を発射したと発表しており、今回の2発のミサイル発射実験はそれに続くものとなりました。