英前首相、「対中融和姿勢を避け台湾支援すべき」
台湾を訪れている英国のトラス前首相はが17日、西側諸国は中国に対する融和姿勢を避け、台湾への揺るぎない支援を示すべきと訴えました。
ロイター通信によりますと、マクロン仏大統領が台湾問題から欧州は距離を置くべきと主張したのに対し、トラス氏は台湾が欧州にとって重要でないと考えるのは「完全に無責任だ」と述べました。
シンクタンクで講演した同氏は、中国からの攻撃に直面している台湾のような民主主義社会を全力で支援しなければならないと強調しました。
また、中国はグローバルな経済力を用いて支配的地位を獲得し「平時における歴史上最大の軍備増強」を行おうとしていると指摘。しかし西側諸国の多くは冷戦の再来を望んでいないため、中国をなだめることを選んだと述べました。
さらに、「われわれの前にある唯一の選択肢は、(中国と)融和して同国の戦略を受け入れるか、それとも紛争を防ぐために直ちに行動を起こすかだ」と語りました。
そして、「気候変動のような問題で中国と何らかの協力できると考える人が西側にはまだたくさんいるが、自由と民主主義がなければ何もできない」と述べました。
トラス氏は17日、陳建仁首相とも会談しました。陳氏はトラス氏の訪台を「歴史的に重要だ」と評価しました。
分離主義である台湾の現政府を支持する西側当局者らが行うこうした訪問は、「一つの中国」の原則に従い台湾を自国の一部と見なす中国から、非難と怒りを買っています。
中国政府は、台湾の代表者が英米を含む西側当局者、中でも中国政府と外交関係を持つ国々の政府高官や軍関係者と接触することに常に反対し、このような接触が「一つの中国」の原則に違反している上、分離主義者らに誤ったメッセージを伝えることになるとしています。