米元大統領特使「中国は世界基軸通貨のドルに対する「最大の脅威」、議会で指摘
マーシャル・ビリングスリー元米国軍備管理担当大統領特使が、ドルの優位性を脅かす最大の脅威は中国だとの考えを示しました。
ロシアのメディアによりますと、ビリングスリー氏は米議会で演説した中で、ロシア、中国、ブラジルが国際基軸通貨としてのドルの役割を「損ね」、国際安全保障構造を「破壊」しようとしていると発言しました。
また、ロシア、中国、ブラジルは世界の基軸通貨としてのドルの地位にとって代わろうとしており、最終的には自由世界のリーダーとしての米国の地位の転覆を狙っているとして、「これらの国は、短期的にはこれは米国が自国の国家安全保障の手段として金融を利用する能力を弱体化させる手段だと考えている」と述べています。
さらに、この3カ国の中で最大の脅威は中国であり、ロシアに対して規制が行われている状況から教訓を得つつ、自国の経済を守るために積極的な対策を講じているとの見方を示しました。
そしてその例として、中国は金の保有量を増やしており、昨年は米国の国債への投資を縮小させているとしています。
続けて、中国が欧米の投資家に対して負う債務(中国に保有する欧米の資産)は最大5兆8000億ドル(807兆6000億円)で、欧米の制裁対象となり得る中国の国際資産は3兆4000億ドル(473兆4000億円)に満たないと指摘していました。
その一方で「言い方を変えれば、中国は潜在的には米国のような大打撃を与えることができる」と述べ、米国は初めて、中国のような制裁に対して強い金融システムを持つ敵に初めて直面したとして演説を結びました。
これに先立ち、ロシア・スプートニク通信は、ロシアと中国は、BRICSの枠組みの中でドルの代替を構築し、壊滅的な打撃を与えたとする米国人記者の見解を報じていました。
こうした中で、世界では、バイデン現米政権がウクライナ戦争を理由にロシアに大規模な制裁行使を決定して以来、脱ドル化が加速しています。