仏で、抗議者弾圧のために警察官4万5000人配備
フランス政府が、最近発生した警察による17歳の少年殺害への抗議デモを鎮圧するため、数万人の警察官を配備しました。
ファールス通信によりますと、フランス政府は、先日17歳の少年が警察に殺害されたことを受けて起きた抗議活動による騒乱発生から4日目となる30日金曜の夜、この鎮圧のために同国内各地に4万5000人の警察を配備しました。
フランス南部マルセイユ市から同国メディアは同市では証券取引センターの建物が多数の抗議者らに襲撃され、警察が抗議者数十人を逮捕したと報じています。
マルセイユ市からの多数の動画は、デモ参加者によりATMが盗みだされる光景を映し出しています。
フランスでは、同国パリ近郊のナンテールで警察が交通検問中に17歳の少年を射殺したことに人々が抗議し、先月27日夜にデモが開始され、30日夜まで4夜続けられました。
パリ郊外で現地時間の27日、車を運転していたナエル・Mさんという名の少年が検問中の警察に射殺されました。
ナエルさんは警察に呼び止められた後、自分の車に戻りエンジンをかけましたが、警察官は彼がスイスへ逃亡しようとしていると考えて射殺したということです。
この事件の報道を受け、フランスの地方都市では激怒したデモ参加者が政府の建物や車両に放火しました。この暴動や騒乱はその後、フランスの他の都市や地域にも波及しました。エマニュエル・マクロン仏大統領も、ナエルさんの死を「筆舌に尽くしがたく、また正当化できないものだ」と述べました。
世界のメディアは先月29日、この殺人事件を起こした警察官が過失致死罪で起訴されたと報じました。なお、犠牲者となったナエルさんの家族の弁護士はAP通信に対し、警察官を「殺人」の罪で起訴するよう求めていると語っています。