グリーンランドから関税まで;フランス大統領が欧州の対米戦略の再調整を要求
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フランスのエマニュエル・マクロン大統領
マクロン・仏大統領が、欧米関係の現状を「グリーンランドの瞬間」と表現し、「EU欧州連合は対米緊張の一時的な緩和を永続的な変化の兆候とは見なさず、逆に米国との軋轢、競争、さらには戦略的対決の時代に備えるべきだ」と警告しました。
エマニュエル・マクロン大統領は10日火曜、ドナルド・トランプ米政権の政策を「明らかに反欧的」だとして公然と批判し、「米国はEUの弱体化、さらには崩壊を狙っている」と語っています。マクロン大統領は複数の欧州の有力メディアとのインタビューで、「欧州は『グリーンランド問題』を警鐘として捉え、経済・政治戦略を見直すべきだ」と強調しました。
マクロン大統領によれば、デンマーク自治領グリーンランド、貿易、ITをめぐる最近の対立は、大西洋を隔てた欧州と米国の関係における一見穏やかな状況を、対立の根本的な解消の兆候と捉えるべきではないことを示しているということです。さらにマクロン氏は過去数カ月の経験に触れ、「譲歩や一方的な妥協を試みる、という戦略は成果に至っていない。欧州は自らの利益を断固として守るべきだ」と付け加えました。
また、経済分野での米国からの圧力が強まる可能性についても警告し、「EUが巨大IT企業を抑制するためにデジタルサービス法を施行した場合、かなり高い確率で米国は関税で対抗するだろう」と述べました。マクロン大統領はこのシナリオを、今後数ヶ月間に欧州が直面する圧力の一部と見なしています。加えて経済面では、ユーロ債の発行を含む欧州共同債への移行を改めて呼びかけました。マクロン大統領の見解では、この動きはEUの投資能力を高め、米ドル覇権への構造的依存を減らす可能性があるということです。
マクロン大統領がこの発言を提起したのは、EU本部のあるベルギー首都ブリュッセルでのEU首脳会合の開催に先立ってのことです。ちなみに同会合では、欧州経済の強化、そして米国および中国に対する競争力の強化方法に焦点が絞られる予定です。また同様の解釈において、フランスとカナダによる在グリーンランド領事館の開設という象徴的な動きも、地政学的な動向と米国の行動に欧州が益々神経を尖らせていることを示すものとみられています。

