ボスニア・ヘルツェゴビナで、虐殺されたイスラム教徒の追悼に数千人が行進
7月 09, 2023 21:20 Asia/Tokyo
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で多数のイスラム教徒が殺害された「スレブレニツァの虐殺」の犠牲者を追悼するため、ボスニア・ヘルツェゴビナ東部の森林で数千人が平和を願う行進を行いました。
ボスニア・ヘルツェゴビナのスレブレニツァで1995年7月11日、セルビア人の軍が、イスラム教徒であるボシュニャク人の民間人少なくとも8372人を殺害しました。この事件は、第二次世界大戦以降にヨーロッパで起きた最悪の人道危機とされています。
スレブレニツァの虐殺から28年が過ぎた現在も、この虐殺で家族を失った人々は、深い悲しみや痛みを忘れられずにいます。
8日土曜に行われた、毎年恒例となっている100キロメートルの行進は、セルビア人が8000人以上のボシュニャク人を歩かせたルートを辿って行われました。
カタール衛星通信アルジャジーラによりますと、今回の行進の主催団体は、参加者数が約4000人にのぼったと発表しています。
1992年から1995年にかけて起きたボスニア・ヘルツェゴビナ紛争では、合計で約10万人のボシュニャク人やクロアチア人が殺害されました。
国連安保理決議827号によって1993年5月に設置されたICTY旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷では、紛争当時にこの虐殺の指揮・実行を担った、ボスニア・ヘルツェゴビナの構成体の1つ・スルプスカ共和国のラドヴァン・カラジッチ元大統領および、同共和国軍のラトコ・ムラディッチ参謀総長に対し、終身刑が言い渡されています。
虐殺現場からは、これまでに6600体以上の遺体が発見・身元特定され、正式に埋葬されましたが、その作業は現在もまだ続いています。
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