7月 24, 2023 21:12 Asia/Tokyo
  • 米による初の核実験
    米による初の核実験

最新の研究調査の結果、米ニューメキシコ州で行われた世界初の核実験である「トリニティ実験」により、同国の46州およびカナダ、メキシコにまで影響が及んでいたことが明らかになりました。

トリニティ核実験は、アメリカが行った世界初の核兵器爆発実験のコードネームです。

この実験はマンハッタン計画の一環として、1945年7月16 日にニューメキシコ州ソコロから56km 離れたホルナダ・デル・ムエルト砂漠で米陸軍によって実施されました。

この実験は、「核の時代」の始まりと呼ばれています。

この実験からわずか数週間後に、アメリカは広島と長崎に原子爆弾を投下しました。

実験爆弾と呼ばれる「装置」の爆発では、約2万2,000トンのTNTエネルギーが放出されました。

今月20日にある科学雑誌に査読の上で掲載された新しい研究からは、この実験での原子爆発による雲と降下物が、1945年のマンハッタン計画で誰もが想像していた程度をはるかに超えていたことが明らかになっています。

研究著者らは、最先端のモデリングソフトウェアと最近発見された過去の気象データを用いて、トリニティ実験からの放射性降下物が爆発から10日以内にアメリカの46州、およびカナダ、メキシコに到達した、との見解を示しました。

米プリンストン大学の科学・世界安全保障プログラムの研究者兼科学者でもあり、この研究の報告の主要な作成者あるセバスチャン・フィリップ氏は、「これは大きな発見だが、誰も驚かないはずだ」述べました。

この研究では、ネバダ州で行われた他の93回の米国核実験による降下物も再分析し、米国全土の放射性物質の降下物を合わせて示す地図が作成されました。

この研究報告書作成者の一人で、この研究を調整した組織・シフトセブンの共同創設者であるスーザン・アルズナー氏は、「トリニティ実験での降下物の範囲を算出するのは依然として難しい」との見解を示しました。

この調査結果は、核爆発による放射線被ばくに対する連邦補償の対象者の数の増加を目論む人々によって論拠として利用される可能性があります。

「トリニティ雲」の漂流はマンハッタン計画の物理学者と医師によって監視されていましたが、彼らはその範囲を過小評価していました。

アメリカの核実験が同国民に及ぼすマイナスの影響の範囲、特に若者に対する影響などは、まだ完全には明らかになっていません。

 


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