ボリビアが、米ドルに代わり人民元で貿易
ボリビア当局が、自国の貿易決済で中国・人民元の使用が開始されたと発表しました。
AP通信によりますと、ボリビアのモンテネグロ経済財政大臣は記者会見で、2023年5月から7月までに同国が行った人民元による貿易が2億7800万元(3870万ドル)に達したことを明らかにしました。これは、同国がこの期間に行った対外貿易全体の10%を占めています。
これに先立っては、ブラジルやアルゼンチンなどの諸国も、貿易において人民元を共通通貨として用い米ドルに置き換える意向を表明しています。
ボリビアのバナナ、亜鉛、木材などを扱う輸出業者、そして自動車、資本財を扱う輸入業者らは人民元で取引し、国営銀行のバンコ・ウニオンを通じてその電子決済を行っているということです。
人民元の利用は、ラテンアメリカおよびカリブ海をはじめとした、中国との強固な関係構築を目指している国々で拡大しつつあります。
米スミソニアン協会傘下のシンクタンク「ウィルソン・センター」の研究プログラムのひとつ、ラテンアメリカ・プログラムの責任者マーガレット・マイヤーズ氏はこれについて、「このような(各国の)金融政策と同時に、この地域で中国が通商・投資を拡大し存在を増している様を、我々は目の当たりにしている」と説明しています。
旧ソ連が崩壊して以降、アメリカは世界で唯一の超大国となりました。
アメリカが現在、世界を支配するために使っている手段は、金融すなわち米ドルと銀行への制裁です。この2つの手段は、言葉による威嚇でも実際の行使でも効果を示しました。なぜなら世界のほとんどの国が、米ドルをベースとしてアメリカの銀行の構造と枠組みに基づき作られた世界金融システムに、大きく依存していたからです。
ロシアは2022年、中国との貿易のため、西側の銀行を介さない独立した金融システムを立ち上げました。そしてそれ以降、米ドルに対して人民元は日ごとに価値を上昇させ、ロシアが貿易で用いる主要通貨となっていったのです。