8月 20, 2023 22:48 Asia/Tokyo
  • 米キャンプ・デービッドで行われた日米韓首脳会談
    米キャンプ・デービッドで行われた日米韓首脳会談

米キャンプ・デービッドで行われた日米韓首脳会談について、中国はアジア太平洋地域を不安定なものにするとの認識を示しました。

中国外務省の汪文斌報道官

 

中国外務省の汪文斌報道官は、「中国は、アメリカによるアジア太平洋地域を地政学的競争の場に変える企みを非難する」と述べました。

米国は、オバマ政権時代から中国を包囲・けん制するため、アジア太平洋地域にフォーカスする政策に転換し、米軍の兵力や武器の多くを日本や韓国に配備しました。

これに対し中国は、TADなどのミサイルシステムの韓国への配備を厳しく批判してきました。こうした理由から、米国の政策は中韓・日韓関係に亀裂をもたらしました。

ある国際情勢専門家は、「米国の政策は、中国をその領土に押し留めておくことだ。それゆえ日韓を利用している。日中韓が様々なレベルで会談を重ねているのは、中国を念頭に置いた軍事同盟強化のための米国の画策を表している」と語ります。

日韓は東アジアにおける米国の同盟国であり、米国は2カ国それぞれと結んだ条約により、それらの防衛義務を負っています。

こうした中、米国は近年、日韓両国に軍事力の強化を迫り、中国に対峙させようとしています。このことは、米国がアジア太平洋地域の平和と安定を望んでいないことを意味します。それゆえ、その反中政策を地域における軍事駐留や同盟結成の口実としているのです。こうしたことから、汪文斌氏は、日米韓の首脳らに対し、キャンプ・デービッド会談に出席するかわりに、戦争に訴えず平和の確立のために努力するよう求めたのです。

別の国際情勢専門家は、「東アジア経済は輸出中心で、その継続のためには地域の平和と安定が不可欠だ。米国は中国との経済戦争に敗北したことから、同国に対して軍事・安全保障上の圧力を強めています。こうした状況下で、日米韓が連携を強めることは、地域全体の経済を危うくしかねない」と語っています。

一方、中国の見方では、情勢不安に対抗するためすべての国が多国間安全保障に協力すべきだとしています。しかし、米国は台湾の独立を煽ったり、日韓の軍事化を進めたりして、東アジアの危機を醸成しています。それゆえ、中国はいかなる国も自国の利益のために他国の安全保障を危機に陥れてはならないとしているのです。中国の見方は、地域の安全保障と完全につながっているのです。

中国が台湾近辺で軍事演習を繰り返しているのは、自らの安全と領土を守るための能力があることを証明するものです。中国は、米国がアジア太平洋地域を地政学的競争の場に変えようとしていると見ています。しかし、この地域は揺るぎない平和と安定の場であるべきであり、世界全体がその恩恵にあずかれるべきです。今回の日米韓首脳会談はそれとは逆行する動きであり、東アジアの平和と安定に破壊的な結果をもたらしうるものです。

 


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