脱米ドル依存を目指すBRICSの取り組みが増加
新興経済国BRICSの5ヵ国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)が運営するNDB新開発銀行のジルマ・ルセフ総裁が、BRICSとして脱米ドル依存に向けた努力を増やしていることを明らかにしました。
22日火曜からは、南アフリカ・ヨハネスブルグにてBRICS首脳会合が開催される予定です。
イルナー通信が22日、報じたところによりますと、ルセフNDB総裁は「ドルへの依存を減らし、多極的な国際金融体制を拡大する計画の一環として、当行は南アフリカとブラジルで共通通貨による融資を開始する計画だ」と語りました。
また、「上海に本拠を置くこの銀行は、約15カ国からのNDBへの参加申請を検討しており、そのうち4~5カ国が承認され、今年8月には約80億~100億ドルの融資が行われる見込みで、そのうち30%は現地通貨建てとなる予定だ」と述べています。
さらに、「現地通貨での融資により、融資される側は為替リスクや米国の金利の変動を回避できる。これまでの一極体制が多極体制に置き換わろうとしている」としました。
一方、今回のBRICS首脳会合の開幕に際してNDBのオペレーター上級責任者は、この10月初旬にNDBが初の融資をインド・ルピーで行うだろうと強調しました。
また、「当銀行は先週、初のランド(南アフリカ通貨)債を発行したが、他のBRICS諸国の現地通貨での債券発行も検討する可能性がある」と述べています。
そして、「また他の例として、南アフリカでプロジェクトを実施する場合、ドルの代わりに中国人民元を使用する」としています。
BRICS諸国は、IMF国際通貨基金や世界銀行など米国主導の金融機関に代わる機関として、2015年にNDBを設立しました。