リビア洪水の死者5000人超か、1万人行方不明
北アフリカ・リビア東部で、これまでに5300人以上が死亡し、少なくとも1万人が行方不明となっています。
ロイター通信が12日火曜、現地のテレビ局の報道として伝えたところによりますと、リビア東部ではハリケーン・ダニエルがもたらした暴風雨により複数のダムが決壊して洪水が発生しました。
この洪水で壊滅的な被害が出ているリビア東部の当局者は、死者が5300人を超えたと語りました。
また、現地の病院幹部は「人口約12万5000人の東部デルナの1地区で1700人、別の地区で500人が死亡した」と述べました。
これに先立ち、同地域を支配するLNAリビア国民軍の当局者はこれまでに1000体以上の遺体が収容されたと明らかにし、「町の25%が消失したといっても過言ではない。多くのビルが倒壊した」としています。
IFRC国際赤十字・赤新月社連盟の当局者によると、現時点で少なくとも1万人が行方不明になっているということです。
リビア第2の都市ベンガジを含む東部の他の都市も暴風雨に襲われていることから、国際赤十字の当局者は最終的な死者数が「膨大」な数になる可能性がある、と述べました。
今回の洪水を受け、これまでにエジプト、カタール、イラン、イタリアなどが支援の方針を示しているほか、米国も国連やリビア当局と支援に向けた調整を進めているとしています。
国連の援助責任者も、緊急チームが現地での支援に動員されたと明らかにしました。
リビアでは東西で政治勢力が分裂し、それぞれが首相を立てる状況が続いている中、救援活動が開始され、12日には支援物資を積んだ航空機が飛び立ちました。
リビア国内の東西分裂による混乱は被害の把握のほか、救助活動や支援物資の受け入れの妨げとなるおそれがあり、被害の拡大が懸念されています。