国連事務次長、「ガザの惨状は完全な恐怖」
国連のマーティン・グリフィス人道問題担当事務次長が、パレスチナ・ガザ北部の惨状について説明し、同地区での戦争終結に向けて国連安全保障理事会が緊急決定を行うよう求めました。
マーティン・グリフィス事務次長は、ガザの悲惨な人道状況について触れ、「道端には遺体が放置されている。また、明らかに飢えているとわかる人々が、生き残るための物資を求めてトラックを(通りがかるたびに)止めている。このようなガザ北部で起きている状況は『完全な恐怖(utter horror)』だ」と述べました。
続けて、「ガザの医療・衛生体制は崩壊している。女性は安全に出産できず、子どもたちはワクチン接種を受けられない。感染症が広がり、人々は避難場所を探して病院の中庭に集まっている」としました。
その上で、シオニスト政権イスラエルが企むパレスチナ人強制移住政策に言及し、「ガザに安全な場所は全くない。人間としての尊厳あるの生活はほぼ不可能になっている」と指摘しました。
ガザについてはこの他、OCHA国連人道問題調整事務所が、「イスラエル政権当局者がガザ北部への立ち入りを組織的に妨げ、住居を追われ避難しているパレスチナ民間人への援助物資提供を不可能にしているために、同地区での人道支援活動の確立と継続が著しく阻害されている」と説明しました。
国際NGOセーブ・ザ・チルドレンのジェイソン・リー・パレスチナ事務所代表も、「ガザの状況は壊滅的である。パレスチナ人の子どもたちは、ガザで恒久的停戦が成立しなかった重い代償を払わされており、彼らのうち毎日100人が殉教している」と述べました。
また、OHCHR国連人権高等弁務官事務所は、「イスラエル政権は、オランダ・ハーグにある国連機関のひとつ・ICJ国際司法裁判所で大量虐殺により提訴されたにもかかわらず、依然として国際法を順守しようとしていない」としました。
パレスチナ保健省の発表によれば、ガザでは昨年10月7日以降のシオニスト政権軍の攻撃により、これまでにパレスチナ人2万3843人が殉教、6万317人が負傷しています。