円安と米製軍事装備への依存で危機に陥る日本
(last modified Wed, 10 Jul 2024 08:07:31 GMT )
7月 10, 2024 17:07 Asia/Tokyo
  • 円安と米製軍事装備への依存で危機に陥る日本
    円安と米製軍事装備への依存で危機に陥る日本

今年に入ってから日本通貨・円の対米ドル相場が40年ぶりの水準にまで下落したことは、同国政府の計画する第二次世界大戦以降で最大規模となる軍事改革に影を落としています。

パールストゥデイによりますと、円安が日本にもたらしている問題は深刻な状況に達しており、現在、同国が主にアメリカから輸入しているヘリコプター、潜水艦、戦車などの軍事装備のコストは、円換算で大幅に上昇しています。

日本の岸田首相は2022年、防衛予算をこれまでの2倍以上となる5年間43兆円に増額する内容を含んだ新たな国家安全保障戦略を発表しましたが、当時の相場では、この金額は約3190億ドルに相当しました。

岸田首相はこの戦略を示すにあたり、今が日本にとっても世界全体にとっても「歴史的な転換点」であると説明していました。しかし現在、当時の1ドル108円に対して相場が1ドル161円と大幅な円安になりヘリコプター、潜水艦、戦車などの軍事装備の円価格が大幅に上昇したことで、大きな問題が生まれています。歴史を振り返れば、トヨタの自動車の例に見られるように、円安は日本大手メーカーにとって製品輸出の際に海外での競争力を高めて追い風となってきましたが、この状況は同時に輸入品の価格上昇にもつながるもので、日本政府の軍事装備調達が円価格上昇により同国の経済に負担を与えている状況は、そのような例のひとつと言えます。

日本ではこのほか、この3年間の円安が進んだことで食料や燃料などの生活必需品の値段が上がり、家計の負担を大きなものにしています。

米紙ニューヨーク・タイムズはこのほど、円の対ドル相場が今年に入ってから40年ぶりの水準にまで下落したことが、日本政府の計画していた第二次世界大戦以降で最大規模となる軍事改革に影を落としていると報じました。

日本政府はこれまでに航空機の発注数を削減したほか、同国の当局者らは、さらなる削減に迫られる可能性についても語っています。日本は、軍事装備品のほとんどを米企業からドル建てで購入していますが、現在の円安によってその購買力は大幅に低下しています。

これに関連しては、森本敏元防衛大臣もインタビューで「現在我々は防衛面において、実際に有している力と据えている基本目標に差異を抱えている」とし、日本の防衛予算がこの5年間、円安のために事実上3割消失したことを指摘しています。

 

 


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