EU警察「欧州は世界最大の麻薬市場」
欧州で多発する組織犯罪に当局は懸念を深め、警告を発しています。
【ParsToday国際】近年、欧州各国では凶悪事件や麻薬の流通が急増しています。
EU警察の警告
欧州刑事警察機構(ユーロポル)は麻薬取引に関する最新の報告で、欧州各国で麻薬取引が増加したことにより、組織犯罪や凶悪犯罪が増加しているとしました。ユーロポルのキャサリン・デ・ボレ総長は、「麻薬取引によって得られる資金が組織犯罪に利用され、欧州社会の深刻な脅威になっている」と述べました。
世界最大の麻薬市場・欧州
欧州は近年、世界最大の麻薬市場と化しています。このことが、市民の心身の健康を損なうばかりでなく、犯罪増加の原因ともなっています。
オランダ・ハーグ警察の調べによると、EU諸国内ではあわせて821の犯罪組織が活動しているということです。ユーロポルも、EU内の麻薬ネットワークには2万5000人以上のメンバーが密輸に関与しているとみています。
英フィナンシャル・タイムズ紙はこれについて、「富裕国とされるスウェーデンでは、銃による殺人事件が欧州で最も多発している。この背景には、犯罪組織の活発化があり、市民の生活に懸念をもたらしている」と報じています。
司法機関にも食い込む犯罪組織
同紙によると、犯罪組織網はスウェーデン全土に広がっており、その活動は麻薬取引にとどまらないといいます。複数の証言によれば、こうした犯罪組織が公共サービスや政党、司法機関にまで侵食し、影響を及ぼしているとされています。
欧州で麻薬取引が広がる背景には、経済的混乱や人身売買、武器取引、テロの増加なども挙げられます。ユーロポルは、犯罪組織が麻薬・武器取引や詐欺により上げる利益は莫大なものになるとし、その利益が不動産やホテル、その他の商業活動への投資に回されていると指摘しています。
欧州高官への警告
組織犯罪の増加は欧州にとって深刻な脅威となっています。ユーロポルのキャサリン・デ・ボレ総長は、「警察は組織犯罪に対抗するために、さらなる装備や人材を必要としている」とし、各国が警察に予算を投入しなければ、この計画は破綻すると警告しました。