英国教会カンタベリー大主教、「占領の終結は法的・道徳的に必至」
(last modified Tue, 06 Aug 2024 06:18:45 GMT )
8月 06, 2024 15:18 Asia/Tokyo
  • 英国教会カンタベリー大主教、「占領の終結は法的・道徳的に必至」
    英国教会カンタベリー大主教、「占領の終結は法的・道徳的に必至」

イギリス国教会の首位聖職者であるウェルビー・カンタベリー大主教は、シオニスト政権イスラエルによるパレスチナ領土の占領を終わらせることが今や法的・道徳的に必至なことは明白であるとしました。

パールストゥデイがイルナー通信の報道として伝えたところによりますと、英紙テレグラフは先日、ICJ国際司法裁判所が示した、イスラエル政権がパレスチナ領土を占領しそこに居ついていることを国際法違反とする勧告的意見に対し、ウェルビー・カンタベリー大主教が支持を表明し、この占領の終結を求めたと報じました。同大主教は、自国を含めた国連に加盟する諸国に向けて、ICJの勧告的意見に法的拘束力はないものの、パレスチナの人々の基本的権利である自決権を公に認めることに「肯定的反応」を示すよう呼びかけたということです。

ICJの裁判官らはこの意見の中で、イスラエル政権が新たな入植地建設を直ちに停止し、占領地内でパレスチナ人に適用しているあらゆる差別的な法律や措置を取り消さなければならないとしました。

また、イスラエル政権が、占領したパレスチナ国土の併合・普遍的支配、およびパレスチナ人の持つ自決権の侵害を通じて、占領者としての地位を継続的に濫用していることは、国際法の諸原則に明確に反しており、占領されたパレスチナ国土にイスラエル政権が存在することは違法だとしました。

ウェルビー大主教は2日金曜の声明で、「ICJの勧告的意見は、占領下のパレスチナ領土におけるイスラエルの存在が違法なものであり、これをできるだけ早く終わらる必要があることをはっきりと示すものだ」としました。

そして、次のように続けました;

「世界が国際法違反の増加に直面し、法規に基づくシステムの順守に疑問が突き付けられている今こそ、世界各国の政府は、ICJのあらゆる意見を確実に順守することを強調すべきだ。国際法は、我々の共通した人間性、尊厳、繁栄を擁護するものだ」

また、「拷問、人質、無差別な暴力などの行為が常態化した世界において抵抗を示すには、いかなる状況においても恐れや利益を捨てて法を遵守すべきである。しかし現在は、国際法が恣意的に使用されてから長い時間が経っており、私たちの共通の平和と安全が危険にさらしている。今こそ、この破壊的な流れを逆転させるべきだ」としました。

さらに、「この数十年、歴代のイスラエル内閣が占領地に押し付けてきた政権によって、組織的な差別が行われてきたことが継続して示されてきた。イスラエル政権はさらに、違法な入植やパレスチナ人の天然資源の搾取、公正・安全とは逆の軍事政権の押し付けによって、パレスチナ人の自由と希望を否定してきた」と指摘しました。

一方、「このことが特にパレスチナのキリスト教徒に与えた影響について、私は認識している。これは、彼らの未来および生命を脅かす問題だ。占領行為の終結が、法的・道徳的に必至であることは明白だ」としました。

その上で、全国連加盟諸国に対し、イスラエル政権による占領行為の違法性についてICJが出した見解に各国が個別もしくは共同の措置を取ることを約束して、パレスチナ人の自決権を公に認める道を開くよう求めました。

シオニスト政権イスラエルは、パレスチナがイギリスの委任統治領となっていた1917年に植民地主義的計画が立案され、世界各地からのユダヤ人の入植を経て、1948年にパレスチナ領土で樹立が宣言されました。同政権はそれ以降、パレスチナ人を大量虐殺し彼らが持つ土地を奪うことでパレスチナ全土を占領しようと目論んでいます。

イランをはじめとする多くの諸国は、植民地政権イスラエルの解体およびユダヤ人入植者の元の国への帰還を真剣に支持しています。

 


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