英国の暴動を主導する4つの団体
スターマー英首相は、国内で続発する暴動について、関与した者を訴追するため、政府としてあらゆる措置を講じると表明しました。
【ParsToday国際】英国では少女3人が刃物で殺害された事件をうけ、犯人がイスラム教徒の移民であるというデマが拡散し、極右や排外主義者らによる暴動が各地で発生しています。スターマー首相は、こうした暴動を「ごく一部のならず者たち」によって引き起こされたものとしています。
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英国内では反移民の主張が再燃し、極右らがSNS上や政治の現場で様々な活動を展開しています。この記事では、今回の英国暴動に大きく関与している4つのグループを紹介します。
1.ブリテン・ファースト
ブリテン・ファースト(英名:Britain First)は2011年にイギリス国民党から分党して設立された政党で、イギリス全土で反移民活動を行っています。
設立者のひとりであるジム・ドーソン氏は、移民やイスラム教徒、モスクへの攻撃をあからさまに扇動し、「イギリスがイスラム化・多文化化する」などと訴えて、ネット上にも危険なコンテンツを掲載しています。他にも、北アイルランドのプロテスタント系自警団にヒントを得た同様の組織も結成しています。
2.イングランド防衛同盟
イングランド防衛同盟(英名:English Defence League)は、2009年に設立された極右団体で、移民やイスラム教徒の排斥などを訴えています。設立者のトミー・ロビンソン氏(本名:スティーヴン・ヤクスリー=レノン氏)は、4度にわたって英国内で逮捕されており、その後国外に活動の拠点を移して、ネット上を中心に反移民・反イスラムの主張を展開しています。
3.イギリス独立党
イギリス独立党(英名:UK Independence Party)は英国のEU離脱を党是としてきた政党で、右派的主張にも同調してきました。
4.孤独な狼たち
極右団体「孤独な狼たち」は、2016年に起きた英下院議員ジョー・コックス氏の殺害事件の犯人がメンバーであったことで知られています。犯人のトーマス・メア被告は、犯行時に「ブリテン・ファースト」などと叫んでいたと伝えられています。
ここに挙げた4つの団体は、英国内の反移民・反ムスリム運動の氷山の一角に過ぎません。排外主義思想は英国社会の隅々にまで浸透しています。