世界経済フォーラム創設者に対する内部告発:国別ランキングの捏造から横領・反モラル行為まで
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世界経済フォーラム創設者で前会長のクラウス・シュワブ氏
WEF世界経済フォーラム(別名;ダボス会議)創設者、クラウス・シュワブ氏の不正行為に関する初期段階の調査の結果から、同氏が政治的な配慮と利益のために各国の世界ランキングを捏造していたことが明らかになりました。
【ParsToday国際】スイスの新聞ゾンタークス・ツァイトゥングは、「WEF創設者で前会長でもあるクラウス・シュワブ氏の経営不行き届き事件に関する初期段階の捜査結果によれば、同氏は政治的な目的で『世界競争力報告書』を捏造したことに加え、新入職員に対しモラルに反するメールを送っていた」と報じました。
イルナー通信によりますと、この捜査では、同氏の妻がWEFで正式な役職に就いていないにもかかわらず、決済のために同組織に旅費の請求書を送っていたことも判明してます。
この捜査の結果は、WEF創設者に対する内部告発書簡においてWEF資金の不正使用を含む財務管理の不正によりシュワブ氏を告発した内容と一致していると見られます。
これらの疑惑により、半世紀以上にわたり世界経済フォーラムのトップを務めたシュワブ氏は辞任に追い込まれたと言われています。
WEFは去る4月に漏洩の存在を確認し、内部調査を開始したと発表しました。
一方でシュワブ氏は疑惑を否定しており、内部告発者を刑事告訴しています。ゾンタークス・ツァイトゥング紙は「調査結果には「世界競争力報告書」の操作も含まれている」と報じました。「世界競争力報告書」は経済競争力に基づいて各国をランク付けするもので、新型コロナウイルス感染症のパンデミック中に中断されていました。
同紙はまた公式文書を引用し、シュワブ氏が特に西アジア・北アフリカやインドなど一部の国に対する「不利な」格付けの公表を繰り返し捏造もしくは、その公開を阻止したと報じています。
同紙によれば、あるケースでは、シュワブ氏はある国の匿名の政府関係者と協議した後、その国に関する否定的な内容の報告書をアーカイブ化したとされています。
さらに前出の調査では、シュワブ氏とその妻がWEF名義で90万スイスフランを超える経費を記録したという別の疑惑にも触れています。
ゾンタークス・ツァイトゥング紙によれば、最も衝撃的な疑惑の一つは、2017年のメールでシュワブ氏が当時WEF政策・制度インパクト部門長だったリチャード・サマンズ氏に対し、各国の経済ランキングに関する報告書の発表を遅らせるよう指示したことだとされています。