米政治専門誌:「イランは制裁後、地域・世界的な大国と化す」
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米外交問題評議会が発行する外交・国際政治専門の隔月発行政治雑誌フォーリン・アフェアーズが、アメリカの最大限の圧力政策がイランを屈服させ損ねただけでなく、イランが抵抗と核・ミサイル能力の強化により地域でより影響力のある大国になったことを認めました。
(last modified 2025-08-20T11:34:42+00:00 )
8月 19, 2025 17:26 Asia/Tokyo
  • 米政治専門誌フォーリン・アフェアーズ:「米はイランを屈服させられなかった」
    米政治専門誌フォーリン・アフェアーズ:「米はイランを屈服させられなかった」

米外交問題評議会が発行する外交・国際政治専門の隔月発行政治雑誌フォーリン・アフェアーズが、アメリカの最大限の圧力政策がイランを屈服させ損ねただけでなく、イランが抵抗と核・ミサイル能力の強化により地域でより影響力のある大国になったことを認めました。

同誌は分析記事において「アメリカ政府がイランに対し行った『最大限の圧力』政策はイランを後退させられなかったばかりか、逆にイランは抑止力を強化し、地域、さらには国際舞台で影響力のある国にのし上がった」と激白しています。

この報告書によれば、2018年に米国が対イラン核合意から離脱したのは、同国内の圧力とシオニスト政権イスラエルおよび一部のアラブ諸国政府の主張を受けてのことで、イランが壊滅的な制裁という重荷の下で再交渉を強いられるだろうという想定のもとでのことでした。しかし、現実はこの予測とは正反対の結果となり、イランは「忍耐と抵抗」戦略によって経済を維持し、核開発計画の加速および、地域的ネットワークのさらなる活発化に成功しています。

フォーリン・アフェアーズはさらに、米国のJCPOA包括的共同行動計画(通称・対イラン核合意)離脱により、イランの核放棄の期限が1年以上から数週間に短縮されたと報じています。同時に、イラク、シリア、イエメン、そしてこの地域の抵抗勢力は、米国とその同盟国の利益に反する作戦を激化させました。こうした行動の代表例として、サウジアラビア・アブカイク石油施設への攻撃や、同国とUAEアラブ首長国連邦に対するイエメンのミサイル発射が挙げられます。

この米メディアによれば、2020年1月に米国がイランイスラム革命防衛隊ゴッツ部隊の故ガーセム・ソレイマーニー司令官を暗殺したもののイランを後退させられず、イラク西部アル・アサド空軍基地へのミサイル攻撃は米国の弱点を露呈した格好となっています。

同誌はまた「IAEA国際原子力機関からの多数の報告にもかかわらず、アメリカがJCPOAから離脱したことは、イランに明確なメッセージを発信した。それはつまり、アメリカは信頼できる国ではなく、ある時期のアメリカ政権との合意が次の政権によって破棄されないという保証は全くない、ということである。そのため、イランは一時的な合意に頼ることなく、核兵器、ミサイル、そして無人機による抑止力の強化に注力した。その結果、今日ではイランの無人機は世界で最も効果的な戦争兵器の一つとして認識されている」と激白しています。

フォーリン・アフェアーズによれば、圧力と制裁だけではイランに屈服を強いるには不十分であることは明らかです。この報告書の執筆者らによれば、今後の道筋として、例えば60%超の濃縮活動の停止と引き換えの部分的な石油制裁の緩和といった、一時的かつ限定的な合意が考えられるとは見ているものの、「イランの完全な屈服」も「アメリカの意志の押し付け」も不可能だとされています。
 

 


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