安保理決議2231が失効、イランの制裁解除要求を121カ国が支持
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イラン・イスラム共和国外務省が声明を発表し、国連安保理決議2231の失効を明らかにしました。
(last modified 2025-10-18T11:22:30+00:00 )
10月 18, 2025 20:10 Asia/Tokyo
  • イラン・イスラム共和国外務省庁舎
    イラン・イスラム共和国外務省庁舎

イラン・イスラム共和国外務省が声明を発表し、国連安保理決議2231の失効を明らかにしました。

【ParsTodayイラン】国連安保理決議第2231号の失効に関するイラン外務省の声明には、以下のように述べられています;

「イランの平和的核開発計画に関する2015年7月20日付の国連安全保障理事会決議第2231号、およびJCPOA包括的共同行動計画(通称;対イラン核合意)に関するこれまでの公式見解および声明で述べたように、この決議で定められた10年の期間は2025年10月18日土曜を以て終了し、イランの核開発計画および関連メカニズムに想定される制限を含むすべての規定は、この日付をもって終了したものとみなされる。

同様に、『核不拡散』という題目の下で安全保障理事会の議題となっているイランの核問題は、安保事の検討事項リストから削除されるべきである。…(また)ドイツ、イギリス、フランスは、核合意(JCPOA)の常習的な違反者として悪意を持って、関連する法的手続きを遵守せずに、失効した安保理決議の復活を試みているが、これらの対抗措置は、いかなる法的価値や執行効果も持たないと考えられるべきである。安保理事務局もまた、これら3カ国の違法な行動に正当性を与え、これを承認することは許されない」

この声明では、さらに次のように述べられています;

「イランは、制裁委員会および専門家グループを含む安保理の制裁メカニズムの再構築は違法であると考えており、事務局に対し、これらの取り決めの設置に関する主張を削除し安保理のウェブサイトを可及的速やかに修正することを義務付けている。...全ての国連加盟国に対しては、欧州3カ国の行動が違法であること、彼らの行動における明らかな違反、安保理決議2231の延長もしくは、失効した決議の復活に向けた安保理の決定が一切なされていないことを考慮し、欧州3カ国と米国の、失効した決議(決議1696、1737、1747、1803、1835、1929を含む)の復活という欧州3カ国及びアメリカの要求にいかなる効力も与えず、決議2231を失効したものとみなすことが期待される」

イランは、決議2231の失効に関して世界の大半の諸国の支持を得ています。NAM非同盟諸国外相会議においては、非同盟諸国の121カ国以上が、決議2231は2025年10月18日に失効すべきことを強調しました。一方、米ニューヨークで開催された国連憲章友好国グループの21カ国は声明を発表し、決議2231は10月18日に失効し、各国は不当かつ違法に課された制裁を実施する義務はないと発表しています。

ガリーブアーバーディ・イラン外務省法務・国際問題担当次官によれば、重要な点は、西側諸国と米国がスナップバックメカニズム(対イラン制裁の再発動を可能にする仕組み)を通じて再発動したと主張する制裁には法的地位がなく、国連加盟国はこれらの制裁を実施すべきではないということです。同次官はさらに「ロシア外務省も非常に重要な声明を発表した。また、イラン、中国、ロシアの3カ国は18日土曜に共同で国連事務総長と安保理議長に書簡を送付し、件の決議が失効しており、各国は失効した安全保障理事会の制裁決議に従う義務がないことを強調する予定だ」と付け加えました。

こうした中で、陰に陽に米国の支援を受けているEU欧州連合は、スナップバック・メカニズム発動という主張の結果としての国連制裁の履行という自らの立場を強調しました。この点に関して、EUはイラン核問題に関して非建設的な姿勢を固持するとともに新たな声明を発表し、「EU加盟国ではない複数の国が、スナップバック・メカニズム発動を受けての対イラン核制裁の復活という欧州理事会の決定に同調した」と発表しています。

EUのウェブサイトで17日金曜に公開された声明には、「2025年9月28日に国連がイランの核開発計画に関するすべての制裁と制限を再発動したことを受け、欧州理事会は、JCPOA包括的共同行動計画に基づき停止または解除されていた対イラン核制裁の再発動を決定した」と掲載されています。

欧州理事会は新たな決定の中で、イランからの原油、天然ガス、石油化学製品、石油製品の輸入、およびエネルギー分野で使用される主要な機器、金、特定の金属とダイヤモンド、特定の海洋機器、関連ソフトウェアの販売と供給に再び制限措置を課すと発表しました。

西側諸国が安保理の制裁決議を復活させ、イランの建設的な提案に反対する目的は、核・ミサイルや地域政策に関する欧米諸国の違法な要求をイランに呑ませるために、同国に前例のない圧力をかけることであると思われます。

したがって、EUと欧州トロイカ(英独仏)は、対イラン制裁において米国との連携を強化し、またロシアとの対決という枠組みの中で、そしてある意味ではロシアとの軍事関係を理由にイランを処罰すべくスナップバックを発動し、安保理制裁の復活という違法行為によってイランへの圧力強化手段としてこれを利用したことになります。一方、イラン及び、同国と類似した見解を持つ国々は、前述の諸国が自らの義務を履行しておらず、事実上JCPOAに違反しているとして、この行為の違法性と、スナップバックを含むJCPOAのメカニズムを利用する欧州トロイカの不当性を強調しています。

 

 


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