ベネズエラの石油は原動力と戦利品のどちらだったのか?
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ベネズエラのペトロレオス製油所
トランプ大統領が長らく南米ベネズエラの石油問題について計画していたものの、アメリカの報道機関やシンクタンクがこの問題に言及したのはベネズエラの情勢変化が起こった後のことでした。
この数カ月にわたり、トランプ大統領は麻薬問題を口実にベネズエラを脅迫してきました。マドゥロ・ベネズエラ大統領がアメリカに逮捕されてから数日後、多くの報道機関がアメリカにとってのベネズエラ産石油の重要性の度合いを分析しています。
【ParsToday国際】この記事では、この分析の抜粋を掲載しています。
米CNNは詳細な報告においてこの問題を検証し、「ベネズエラで社会不安がなければ、米国は容易にベネズエラ産原油を独占し、その価格に変動はなかっただろう」と指摘しました。また、米国にとってのベネズエラ産原油の重要性についても「世界最大の産油国である米国は、ガソリン生産に適しており硫黄分が少なく、比較的「甘い」香りがする高品質な軽質スイート原油を保有しているが、用途は限られている。しかし、ベネズエラ産原油のような比重が大きく硫黄分も多い重質サワー原油はディーゼル、アスファルト、工場やその他の重機用燃料など、精製工程で生産される一部の製品の生産にとって極めて重要だ。だがディーゼルは、主に対ベネズエラ石油制裁の影響で、世界中で供給不足に直面している」と報じています。
しかし、米シンクタンクのアトランティック・カウンシルは分析の中で「ベネズエラの石油は同国征服の原動力であって戦利品ではない」と指摘しました。また「政権移行が秩序ある形で行われれば、アメリカ企業は政変の恩恵を受けるだろう。しかし、アメリカは世界最大の石油・ガス生産国であり、エネルギー安全保障を享受している」としており、続けて「ベネズエラがアメリカと肩を並べる力を確保することは、トランプ大統領の国内政策目標達成に寄与するだろう」と分析しています。
しかし、英紙ガーディアンは「トランプ氏がベネズエラの原油問題に注力していることは、彼の行動が決して『麻薬戦争』に関するものではなかったことを強調している」と批判しました。同紙はまた「ドナルド・トランプ氏は今月3日(マドゥロ氏が拘束された日)の1時間にわたる記者会見で、ベネズエラの原油問題に主な焦点を当てており、数カ月にわたり軍備増強と船舶攻撃の主な正当化要因となってきた『麻薬戦争』についてはほとんど言及しなかった。記者の質問が原油に関するものでなかった時も、彼は12回以上原油について言及した。トランプ氏がこの問題に固執したことは、緊張が高まって以来ベネズエラが繰り返し主張してきた主張、すなわち、トランプ氏の主目的がマドゥロ氏の打倒および、同国の膨大な天然資源の奪取であるという主張を裏付けるものだった」と報じています。
一方、政治に特化したアメリカのニュースメディア・ポリティコは、ベネズエラの石油産業がアメリカの石油会社にとって利益をもたらすのか、それともそうでないかを検証しました。この問題は彼らがベネズエラの石油市場への参入を躊躇し、トランプ大統領が声を挙げる原因となった問題です。ポリティコはまた「アメリカの石油業界幹部にとって大きな懸念は、企業がベネズエラに派遣しなければならない労働者と設備の安全性、彼らへの支払い方法、ベネズエラの石油生産が利益を生むほどに原油価格が上昇するかどうか、そしてOPEC石油輸出国機構加盟国というベネズエラの地位である。今月2日の市場終値時点で、指標となるアメリカの原油価格は1バレル57ドルで、コロナ大流行終息以来の最安値となった」と報じました。

