その他のメディア|トランプ大統領のイラン政権転覆計画が奏功しない原因とは?
-
ドナルド・トランプ米大統領
カタール国営衛星通信アルジャジーラの英語チャンネルが、ドナルド・トランプ米大統領のイラン政権転覆計画が失敗した理由について取り上げました。
アルジャジーラの英語チャンネルは「イラン治安部隊が平和的な抗議者を標的にした場合に米国は『発砲する用意がある』というトランプ氏の発言は、辛辣な口調だった。それから24時間も経たないうちに、米軍特殊部隊は南米ベネズエラ首都カラカスを急襲し、同国のニコラス・マドゥロ大統領を自宅から拉致し、裁判のため米ニューヨークに連行した」と報じています。
【ParsToday国際】トランプ氏はベネズエラで脅迫行為を実行できると示すことで、イランに対する心理的圧力を強めています。一方、イランのセイイェド・アッバース・アラーグチー外相はトランプ氏の発言を「無思慮で危険」だとして批判しました。
イラン政府がこの警告を受け取ったことは確かですが、それでもイランはベネズエラと同じではなく、カラカスで起こったことがテヘランでは決して実際に起こりえないものです。
CIA米中央情報局は6ヶ月間カラカスで活動し、作戦実施の準備を進めていました。CIAにはマドゥロ大統領に近い人物がおり、彼の追跡を支援していたのです。現地時間の今月3日早朝、米軍戦闘機がカラカスとその周辺の軍事施設への空爆を開始し、それに続いて米軍特殊部隊が派遣され、マドゥロ大統領を自宅から連れ出し拉致しました。この作戦の成功を後押ししたのは、ベネズエラ軍が混乱状態に陥っていたことでした。
しかしイランは6ヶ月前、米国とシオニスト政権イスラエルに対し、イランの政権交代が容易な目標ではないことを明確に示して見せました。イランは昨年6月の対イスラエル12日間紛争において、このことを証明したのです。イスラエルの奇襲攻撃によりIRGCイラン・イスラム革命防衛隊の司令官や核科学者ら数名が殉教し、また、イスラエルによる心理作戦によって様々な政府関係者や軍高官らが殺害を予告・示唆されたにもかかわらず、イランは屈しなかったのです。
イラン核施設に対するアメリカの地中貫通爆弾による攻撃さえも、イランの現体制を揺るがすことはありませんでした。アメリカのこうした行動に対し、イラン軍は数百発のミサイルを発射し、イスラエルのアイアンドームを貫通させ、軍事目標を攻撃しました。
イランは、現役兵と予備兵合わせて100万人を擁する、地域最大の軍隊を擁しています。IRGCだけでも少なくとも15万人の兵士を擁し、その多くは百戦錬磨のメンバーです。また、バスィージと呼ばれる民兵部隊も存在し、こちらも正規兵と予備兵を合わせて数十万人の兵力を誇ります。
イランへの攻撃は、ベネズエラに対する攻撃ほど簡単ではないと考えられます。イランには険しい山岳地帯と広大な都市部が存在することを考えると、隣国のイラクとも全く比較になりません。
イランではここ数日、経済難をきっかけとした抗議活動が続いています。しかし、これは米国とイスラエルが思い描いているような好機ではないかもしれません。過去の歴史が示すように、外国からの侵略は社会を分裂させるのではなく、逆に結束させる傾向があります。このことは去る夏に明らかになっており、イスラエルによる政府への挑発行為にイラン国民は決して惑わされなかったのです。
イラン政府は、苦境を乗り切れる強固な制度的枠組みのおかげで、40年にわたる西側諸国の制裁と経済的圧力にも首尾よく耐久してきました。
結論として、トランプ氏とその支配下の軍幹部らは、イランのような複雑な国を統制し変革させることはまずもって不可能です。そのような計画は間違いなく、イラクよりもはるかに醜悪で永続的な混乱と流血を地域にもたらすことになるでしょう。

