パレスチナのBRICS加盟:脱植民地主義化への新たな歩み
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パレスチナのBRICS新興経済国グループへの加盟が実現すれば、それは単なる外交上の出来事ではなく、世界的な脱植民地主義化への道における転換点となりえます。
(last modified 2025-10-13T14:57:37+00:00 )
10月 13, 2025 23:52 Asia/Tokyo
  • パレスチナのBRICS加盟:脱植民地主義化への新たな歩み
    パレスチナのBRICS加盟:脱植民地主義化への新たな歩み

パレスチナのBRICS新興経済国グループへの加盟が実現すれば、それは単なる外交上の出来事ではなく、世界的な脱植民地主義化への道における転換点となりえます。

英国で2009年に立ち上げられた非営利の報道監視組織ミドル・イースト・モニターは最近、「当初は新興国間の経済同盟として知られていたBRICSは今や、世界規模の金融構造に対抗するだけでなく、政治、倫理、歴史的に伝わる話を再定義するブロックへと変貌を遂げた」と報じました。

【ParsToday西アジア】国際情勢の渦中にあるパレスチナは、未終結の闘争の象徴となっています。植民地支配から解放された多くのアジア・アフリカ諸国とは異なり、パレスチナは依然として軍事占領、経済封鎖、そして世論の認識からの淘汰・除外の憂き目に遭っているのです。

そうしたパレスチナのBRICS加盟に向けた動きは、歴史的歪曲の是正であるとともに、単なる抵抗から新たな国際体制の構築に向けた積極的な参加に転じる、脱植民地主義化の新たな段階の宣言でもあります。

1955年にインドネシア・バンドンで行われたアジア・アフリカ会議は、新興独立諸国が二極体制から独立した世界の構築を目指した最初の試みでした。彼らはもはや冷戦の駒となることを望まず、世界の未来を形作る役割を担うと宣言しました。BRICSは今や、これらの理念の精神的な継承者であり、以下のようなより効果的な手段を有しています。それらは:

西側諸国から独立した開発銀行

米ドル依存を削減するメカニズム

グローバル・サウス諸国間の技術・インフラ協力

そして最も重要なのは、世界の総人口の40%以上を代表する政治圏であることです。

このような状況において、パレスチナはもはや管理されるべき1つの「問題」ではなく、未来の形成という役割を果たす1つの「参加勢力」となっています。この変化は政治レベルだけでなく、語り伝え・捉え方のレベルにおいても変革をもたらすものです。西側諸国のメディアではしばしば情勢不安の元凶として描かれるパレスチナですが、BRICS諸国では威信や主体性、そして抵抗の象徴として捉えられています。

象徴的なジェスチャーを超えて:共感と同盟の違い

近年、一部のヨーロッパ諸国はパレスチナを国家承認するという象徴的なジェスチャーを示してきました。しかし、こうした承認は往々にして実質的な結果を伴っていません。シオニスト政権イスラエルと武器取引を行い、マルウェアを購入し、国際機関でこの政権を外交支援している国々は、パレスチナとの真の連帯を主張することはできないのです。

そうした諸国とは対照的に、BRICSはそれ以上のものを提供しています。それは構造的な支援、即ち投資から開発銀行、そして政治的連帯といったものにまで及び、それはまさに美辞麗句と実際の行動の違いだと言えるものです。パレスチナのBRICS加盟は、ヨーロッパの偽善からの戦略的な分岐・離脱を表しています。パレスチナはもはや表面的な行動としての国家承認を求めているのではなく、世界の政治経済の形成への真の参加を求めているのです。

パレスチナのBRICS加盟により、同国は新たな倫理的な合法性を獲得することになります。長年にわたり、BRICSは西側諸国から純粋に経済的クラブとみなされてきました。しかし、パレスチナの加盟によりお、BRICSは正義志向となり、反植民地主義を掲げる運動としても見なされるようになると思われます。つまり、多極化とは権力の共有だけでなく、人間の尊厳や威信の再分配も意味しています。

この変革の中心においては、本来的な多極化の結果が明らかになりつつあります。それは、開発が条件付き融資の引き換えにならず、貿易が依存を意味せず、国家主権が制裁によって粉砕されることのない世界の実現です。

長年、国際交渉において孤立し沈黙してきたパレスチナは、今や中国、インド、ブラジル、イラン、南アフリカといった国々と肩を並べる存在となっており、これはもはや無視できない状況であることを意味します。イスラエルとその同盟国は、世界的な支持を得るパレスチナと向き合わざるを得なくなり、またこの変化は外交の構図を変貌させると思われます。

 

 


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