米経済学者クローソン氏がイランをめぐり米政治家に複数の点を喚起
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西アジア分野の著名なアメリカ人経済学者・研究者のパトリック・クローソン(Patrick Clawson)氏が、ある記事の中でアメリカの政治家らに向けて複数の点を指摘しています。
(last modified 2025-11-08T12:10:52+00:00 )
11月 08, 2025 19:38 Asia/Tokyo
  • 米ワシントン中近東政策研究所のパトリック・クローソン氏
    米ワシントン中近東政策研究所のパトリック・クローソン氏

西アジア分野の著名なアメリカ人経済学者・研究者のパトリック・クローソン(Patrick Clawson)氏が、ある記事の中でアメリカの政治家らに向けて複数の点を指摘しています。

【ParsToday国際】クローソン氏は今月4日にワシントン中近東政策研究所のウェブサイトに掲載された「イランの自信の回復か?」と題する記事の中で、去る6月のシオニスト政権イスラエルとの12日間戦争後におけるイランのアプローチの変化を検証し、イランが米国とイスラエルに対してより自信を持って世界に出てきたことを強調しています。

クローソン氏はまず、イラン・イスラム革命最高指導者であるアリー・ハーメネイー師が去る10月20日の演説で、勝者的な口調により、戦争におけるイランの功績を力強く擁護し、イランのミサイルがイスラエルの重要拠点を攻撃できたと宣言しました。また、イランが新たな紛争への備えができており、国産ミサイルを国家の力の象徴として提示したことも強調しています。

また第2の点として、イランが対イスラエル12日間戦争において自らを勝利者とみなしていることを強調しました。この点に関して、イラン国家安全保障最高評議会のアリー・ラーリージャーニー書記は去る7月4日、イラン国営プレスTVとの詳細なインタビューで、イランが最近の戦争に勝利したと発表しています。同書記はまた、イスラエルによるイラン当局者や科学者への初期の攻撃に言及し、イランが戦争継続の主導権を握ったと述べました。ラーリージャーニー書記はさらに、イスラエルのエフード・オルメルト元首相、ベザレル・スモトリッチ財務相、そしてイスラエルのメディアといったシオニスト情報筋を引用して自身の主張を裏付け、「イスラエルと米国は戦争の継続を恐れ、停戦を要求した」と述べています。

第3の点として、クローソン氏は「イランの自信はある種の心理的抑止力である可能性もあるが、重く受け止められるべきだ」と警告し、「アメリカは紛争に関する反駁の余地のない証拠を公表すべきだ」としています。その上で「イランは時に被害評価を誇張している。例えば、ラーリージャーニー氏はカタールの米軍基地にイランのミサイル6発が着弾したと述べているが、米国は1発しか認めていない」と主張しました。もちろん、クローソン氏のこの主張は現実とは食い違っています。イラン・イスラム革命防衛隊のアリ・モハンマド・ナーイニー報道官は、米国はイランから発射された14発のミサイルを迎撃するために1億1100万ドルを費やした。そのうち6発は標的(カタールのアル・ウデイド基地)に命中した」と述べています。

第4に、クローソン氏は「イランは事前予測に反して、対イスラエル12日間戦争後、核交渉に復帰する意欲を示していない」ことを強調しています。イラン外務省のエスマーイール・バガーイー報道官は今月3日、「アメリカとのメッセージの交換は交渉再開を意味するものではない」と表明していました。イラン最高指導者のハーメネイー師も学生らとの会合で、「米国の対イスラエル支援の停止と米軍の地域からの撤退は、いくつかの問題の見直しにつながる可能性があるものの、近い将来に実現する見込みは薄い」と述べています。

そして第5の点として、クローソン氏によれば、イラン当局者の最近の発言は、核開発計画や代理戦争よりもミサイル開発計画に重点を置いているということです。この変化は、イランが直接抑止力に新たな重点を置いていることを示している可能性があります。クローソン氏は「アメリカのアナリストは、核開発計画と同様にイランのミサイル能力の急速な再構築にも注意を払うべきだ」と提言しています。

この記事の結論としてクローソン氏は、イランが12日間戦争以来弱体化の兆候を見せていないだけでなく、脅威に直面してもより自信を持っていると強調しています。そして「この姿勢は、イランとの恒久的な合意成立の可能性が低下し、イランによるさらなる侵略的な行動が考えられるため、米国の今後の政策決定に影響するかもしれない」と主張しています。

 

 


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