インファンティーノ会長の矛盾:批判の嵐を呼び起こしたFIFAの中立性侵害とトランプ氏表彰
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トランプ米大統領、2026年W杯抽選会で今年創設のFIFA平和賞を受賞
FIFA国際サッカー連盟が平和や団結に向けて行動した個人の功績を表彰するため今年創設した「FIFA平和賞」をトランプ米大統領に授与したことが批判や政治的な反応の波を引き起こし、サッカーの中立性に疑問を投げかけています。
【ParsToday国際】カタール国営衛星通信アルジャジーラによりますと、常に政治的中立性を重視してきたFIFAは5日金曜、今年創設したばかりの平和賞をドナルド・トランプ米大統領に授与しました。ジャンニ・インファンティーノFIFA会長は、アラブ諸国とシオニスト政権イスラエルの関係を正常化させるアブラハム合意を含めた、トランプ氏提唱の国際協定を称賛し、「称賛に値する」と述べています。同会長はこれに先立ち「イスラエルによるガザ地区での大量虐殺戦争における停戦仲介の功績に対し、トランプ氏にはノーベル平和賞が授与されるべきだ」と公言していました。しかし、この言動は激しい批判を受けました。
元国連職員のアメリカ人、クレイグ・モヒバー(Craig Gerard Mokhiber)氏は、この賞を「恥ずべきもの」だとし、これを対イスラエル支援と国内での人権侵害という「トランプ氏の不名誉への泥の上塗り」を意図したものだと述べました。また、国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチも、「トランプ政権の記録は平和と結束の基準に合致していない」と表明しています。さらに米国野党民主党も強く反発し、「トランプ氏がノーベル平和賞を受賞できなかったので、FIFAは彼のために賞を創設した」と表明しました。
批評家らは、インファンティーノFIFA会長の立場上の矛盾も指摘しています。同会長はかつてはスポーツの政治的中立性を強調していたものの、今回はわずか数日前にソマリア国民に対する侮辱的な発言をした大統領に政治的な賞を与えているのです。
トランプ氏は今回の受賞について、短いスピーチの中で「大変光栄」と表明し、自身の大統領職が数百万人もの命を救い、8つの戦争を終結させたという主張を改めて強調しました。しかし、法律専門家や活動家らは、この主張を事実無根と見なし、トランプ氏が自身の政治的立場を強化するための試みに過ぎないと一蹴しています。

