フランス政界、右派政党の対米接近に警鐘
https://parstoday.ir/ja/news/world-i130958-フランス政界_右派政党の対米接近に警鐘
フランスの政界、主に左派勢力が、同国極右政党によるアメリカへの接近および、同党の勢力拡大を狙った「トランプ米大統領の干渉」の可能性について警鐘を鳴らしました。
(last modified 2025-12-15T11:11:47+00:00 )
12月 15, 2025 19:22 Asia/Tokyo
  • ドナルド・トランプ米大統領(右)と仏極右政党「国民連合」のマリーヌ・ル・ペン氏
    ドナルド・トランプ米大統領(右)と仏極右政党「国民連合」のマリーヌ・ル・ペン氏

フランスの政界、主に左派勢力が、同国極右政党によるアメリカへの接近および、同党の勢力拡大を狙った「トランプ米大統領の干渉」の可能性について警鐘を鳴らしました。

チャールズ・クシュナー駐フランス米国大使は今月12日、RN国民連合党の幹部であるマリーヌ・ル・ペン氏と同党のジョルダン・バルデラ党首と並んで笑顔を見せる写真を自身のSNSに投稿しています。

【Pars Today国際】アメリカのオンラインニュースメディア、ハフィントン・ポストのウェブサイトは「クシュナー大使がフランスの政治家と会談するのは今回が初めてではなく、彼はエドゥアール・フィリップ元仏首相、ブルーノ・ルタイヨ(Bruno Retailleau)上院議員、ローラン・ヌニェス内相とも会談した。しかし、フランスの極右政党幹部との会談は新たな様相を帯びてきている。それは、ドナルド・トランプ現政権下で米国が絶えず国際同盟関係を変更しているからである」と報じました。

今月5日には米国の国家安全保障戦略を概説した文書が公開され、トランプ大統領の新たな方針の詳細が発表されました。この文書は、EU欧州連合を「弱体化」し「衰退している」と厳しく批判した内容となっています。

トランプ大統領の側近の一人であるクシュナー大使および、欧州の極右指導者2人との関係改善は、決して単純かつ些細な問題ではなく、この問題は一部の左派政治家の反発を巻き起こしています。

左派政党「La France Insoumise (服従しないフランス)」所属の欧州議会議員マノン・オブリ氏は、RN国民連合の行動を「外国の利益に奉仕する」ものだと非難しました。また、この極右政党が「トランプ大統領の介入主義政策の便宜を図り、盲目的にフランスの不安定化を推進している」と批判しています。

ハフィントンポストは続けて「国民の最大の懸念は、フランスで今後行われる選挙、特に2027年に予定されている大統領選挙によって、外国からの干渉や圧力が入り込む隙が生じるということである」と報じました。

フランス最大の左翼政党である「服従しないフランス」党のオレリアン・サントゥール代表は「この写真はマリーヌ・ル・ペン氏と彼女の研修生(バルデラ氏)がドナルド・トランプ大統領の代理人から指示を受けに来たことを示している」と述べています。

フランス社会党のピエール・ジュヴェ幹事長もこれに同意し、「ル・ペン氏とバルデラ氏はフランスでは『トランプとプーチン・ロシア大統領の候補者』に過ぎない」とコメントしました。

バルデラ氏はクシュナー大使との会談前日に当たる今月11日、米国政府とは特につながりがないことを強調しています。

また、ウクライナ戦争について特に言及したフランスのニュース専門局BFMとのインタビューでは、「私はいずれの外国の指導者も尊敬していない」と語りました。

しかし、在パリ米国大使館は論争の鎮静化を図るため、フランス通信に対し「幅広い政党や政府関係者と定期的に協議しており、今後もそれを継続する意向だ」と表明しています。

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram     Twitter