米が国際刑事裁に新たな制裁を行使;国際法と国際機関への明らかな攻撃
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オランダ・ハーグにあるICC国際刑事裁判所
米国がシオニスト政権イスラエルを支持しての贔屓的な行動に訴え、ICC国際刑事裁判所の判事2名に制裁を行使しました。
【ParsToday国際】米国は今月18日、オランダ・ハーグにある国際刑事裁判所の判事2名がガザでの戦争犯罪の捜査終了を狙ったイスラエルの動きを拒否したことを受けて、同判事ら2名に制裁を課しています。
の制裁対象となった判事は、ジョージア元法務相のゴチャ・ロルキパニーゼ(Gocha Lordkipanidze)氏とモンゴル出身のエルデネバルスレン・ダムディン(Erdenebalsuren Damdin)氏です。この両判事は今回の措置により米国への入国が禁止され、米国内での資産が凍結され金融取引は停止されることになります。ロルキパニーゼ氏は以前、米ニューヨークにあるコロンビア大学の客員教授を務めていました。
ICCは、今回の制裁措置を「公正な司法機関の中立・独立性に対する露骨な攻撃」だとし、非難する公式声明を発表しました。
これにもかかわらず、イスラエルは米国の行動を歓迎しました。イスラエルのギデオン・サール外相は「X」へのメッセージでマルコ・ルビオ米国務長官に謝意を表し、この行動を「明確な道義的姿勢」と評しています。
これにより、トランプ米政権の制裁を受けたICC判事は少なくとも8人に上りました。また、ICCの主任検察官であるカリム・カーン氏を含む少なくとも3人の検察官も制裁対象リストに掲載されています。
マルコ・ルビオ米国務長官は、これまでにもこの事件に関与した他の判事や検察官に制裁を行使しており、「今回の新たな制裁は、今月15日のICCの採決と明確に関連している」と述べています。件の採決では、ICC判事2人が多数派に加わり、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とヨアブ・ガラント元戦争大臣に対する逮捕状を承認しました。
ルビオ長官は「ICCは反イスラエル的な政治的活動を継続しており、すべての国にとって危険な前例となっている」と主張しました。またシオニスト政権の犯罪を支持し、「ICCがその地位を濫用し、米国民とイスラエル市民を不当に標的にする行動を容認しない」と述べています。さらにICCの法的地位に注目せずに、「国際刑事裁判所の行動と違反行為に対し、注目に値する形での具体的な対応を続行すると警告しました。
今月15日に発表された判決は44ページにも及び、イスラエルがガザ地区で犯した戦争犯罪疑惑の調査続行という決定を承認したものでした。ネタニヤフ首相とガラント元戦争相はいずれも、イスラエルによるパレスチナ領土への絶え間ない攻撃中における戦争犯罪と人道に対する罪で起訴されています。
ここで重要な点は、ICCに対する米国の新たな制裁がフランス、スペイン、オランダ、デンマークなど一部のヨーロッパ諸国から否定的な反応を受けていることです。
ICCに対する米国の新たな制裁は、米国と国際機関との対立を示す最も重要な兆候の一つと言えます。アメリカによる今回の行動は、独立した機関に対する政治的圧力と捉えられると共に、国際法規とルールに対するアメリカの挑戦を明確に示すものでもあります。今回の行動の理由は、以下に挙げるいくつかの主要な軸から考察することが可能です;
まず、米国はICCの正当性・有資格性について常に神経を尖らせています。米国はローマ規程の締約国ではなく、当初から自国の軍事力および政治力をICCによる訴追の可能性から守ろうと努めてきました。米国は、特に戦争や軍事作戦の文脈において、米国民またはアメリカの緊密な同盟国に対するICCによる一切の調査や行動も、国家主権に対する直接的な脅威とみなしています。したがって、制裁は、米国当局者の責任追及につながる可能性のある事件へのICCの介入を防ぐための対応策と見なすことができます。
第2に、今回の行動は米国の外交政策に根ざしたもので、米国の外交政策は多くの場合、優位性の維持と国際的な制約の回避を基盤としています。アメリカは自国の利益のために行動する機関は容認するものの、これらの機関は米国の政策の枠組み外で独自に行動した場合、圧力と制裁に直面することになります。ICCは独立した機関として、パレスチナ問題やアフガニスタン問題など、米国の政策と相反する事件の捜査が可能です。米国がICCに対して強硬な姿勢をとる主な理由は、まさにこの独立・中立性にあります。
第3に、制裁は明確な政治的メッセージを含んでいます。米国は、自国の利益に反する行動を一切容認しない方針を他国や国際機関に示したいと考えています。このメッセージは、国際裁判所だけでなく他の機関にも伝えられ、アメリカの不利益となりうる訴訟への関与を控えるよう促しています。実際、これらの制裁は、国際法分野における米国の抑止戦略の一部と言えます。
第4の点として、今回の行動は米国国内の懸念も反映しています。米国の政治情勢では、ICCの正当性・有資格性を認めることは軟弱さ、あるいは後退と見なされる可能性があります。したがって、トランプ政権はICCへの制裁行使により、外交面と国内面の両方で、自国の軍事力と政策を一切の国際的訴追から守るというメッセージを発しているのです。
これらの事柄を総括すると、米国による新たな対ICC制裁は、国際法と国際機関への明白な攻撃と捉えるべきものです。この行動は、米国が自国の利益と免責特権を守るためなら、国際司法の基本原則の侵害さえ辞さないことを物語っています。このようなアプローチは、ICCの信頼性を脅かすとともに、国際法体制に対する真向からの挑戦・対決でもあるのです。

