論説;トランプ氏の新たな対イラン口舌;戦略的膠着状態からイランの断固たる対応へ
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イラン最高軍事指揮機関・ハータムアンビヤー中央司令部の紋章
イランイスラム共和国最高軍事指揮機関・ハータムアンビヤー中央司令部が、トランプ米大統領による新たな敵対口上に反応を示しました。
【ParsToday国際】ドナルド・トランプ米大統領の敵対的な発言に対するイランの公式な対応は、何よりもある1つの戦略的ポイントに集約されています;イラン軍合同参謀本部およびハータムアンビヤー中央司令部は22日火曜夜に声明を発表し、「イランに対するアメリカ大統領の敵対的な発言や度重なる脅迫は、国連という場を悪用して世界における侵略、不安扇動、略奪行為を正当化するものであり、現場の現実に基づくものではなく、単なる国内プロパガンダの手段に過ぎない」と表明しました。
この2つの組織はまた「こうした演説は、対イラン侵略におけるアメリカの戦略的な行き詰まりを物語っており、アメリカ軍の疲弊を鑑みて根拠のない主張や脅迫を繰り返すことは、強さの表れではなく、むしろ戦略的な窮余の策でしかない」としています。また、この声明では「イスラム国家イランは、特に自由で国際的な貿易にとって、地域の安全保障の要である」と述べられており、西アジアにおける不当かつ違法で攻撃的な存在としてのアメリカは脅威、情勢不安、不安定の源泉であり、自らの連続的な失敗を補うために世界経済を人質に取っていると見なされています。
トランプ氏のレトリック・話術が権力計算を変化させることはなく、新たな世界秩序におけるアメリカの地位の低下の補填もできない、と強調することは、イランが脅威を強さの証ではなく、弱さと消極性の表れと見なしていることを物語っています。
しかし同時に、トランプ氏の新たな発言の分析を完全なものにするには、米国の選挙情勢と国内経済危機を考慮に入れる必要があります。トランプ氏は2026年11月の中間選挙での与党・共和党の敗北への恐れから、またもやイラン中部にあるピックアックス山(ペルシャ語でクーフ・コラング、鶴橋の山の意味)を攻撃すると脅迫し、「我々は地域を破壊する必要があるかもしれない」と述べました。しかし、トランプ氏はこれらの発言のわずか数分前に、イランの核兵器獲得への努力は「終わった」と主張しています。
この明らかな矛盾から、これらの脅迫発言が戦術的かつプロパガンダ的な性質を持つことが浮き彫りになっています。トランプは首尾一貫した戦略を追求しておらず、自身の支持基盤へのメッセージ、特に違法かつ残忍な対イラン戦争の後に米国で深刻化した経済問題から国民の視線をそらすための手段を求めているのです。トランプ氏が国連総会の傍らでイランと米国の代表間の対話を強調し、自らの娘婿ジャレッド・クシュナー氏および、スティーブ・ウィトコフ特使の名前を挙げたこともこの文脈で評価できるもので、状況を制御していることを示すとともに、外交とを同時に吹き込むために提起されたものと思われます。
こうした発言の背景には、ロイター通信の世論調査で明らかになった憂慮すべき統計が存在します。トランプ大統領の支持率はわずか32%という、彼の政治家としてのキャリアで最低水準にまで落ち込んでいます。生活費高騰へのトランプ氏の対応を支持する回答者は17%、イラン攻撃を支持する回答者は34%に過ぎません。去る2月28日にイランとの戦争が始まって以来、ガソリンと軽油(ディーゼル燃料)の価格は大幅に上昇し、西アジアの石油・ガス生産の一部が世界市場から排除されたことで、価格はさらに高騰するばかりです。
トランプ氏は2025年初頭、インフレ抑制と海外での軍事作戦終了を公約に掲げてホワイトハウスに復帰しましたが、その政策の結果は悉く裏目に出ており、アメリカ国民にとって最も重要な選挙課題に関する彼の実績は極めて悪いとみなされています。こうした状況下で、イランとの戦争ははぐらかしの手段となっているものの、アメリカ国民の世論はそれを受け入れていません。アメリカ世論の82%が「イランとの緊張した関係は長期化する」と予想し、また攻撃を支持するのはわずか34%に留まっています。CNNの世論調査でも、アメリカ国民の64%がイランとの戦争に勝利したとは考えておらず、中間選挙が近づくにつれて共和党支持層間の溝が深まっていることが明らかになっています。
これに対し、イランは外交の否定と軍事的な準備態勢を組み合わせた対応策を採用しています。クーフコラング山に秘密の核施設が存在するという主張は断固として否定され、イラン外務省報道官はこれを「侵略を正当化するために捏造された口実」だとしています。軍当局者も「米国が攻撃してきた場合には然るべき対応に出る」と強調しています。この反応は、イランがトランプ氏の選挙演説を真剣に受け止めてはいるものの、それを米国の強さの表れとは見なしていないことを裏付けています。
どうやら、トランプ大統領は戦略的な罠にはまっているように見受けられます。戦果なしの撤退は敗北と思い込んでいるために、戦争を終結させられない一方で、戦争を継続すれば米国自身の経済・政治的な負担が増大します。このような状況下において、新たな脅迫は戦況の計算を変えるどころか、イラン国内の結束を強め、周辺諸国に対米関係の見直しを促すという逆効果として作用しています。結果として、トランプ大統領のイランに対する発言は、強さの顕示ではなく、戦略的な弱さ、経済危機、そして間近に迫った11月の中間選挙のプレッシャーを反映していると言えます。それに対して、イランの断固たる対応は、防衛態勢ができていることを示す一方で、脅迫の無効性を強調していると言えるでしょう。
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