本日のトピック オバマ政権時代のアメリカの貧困率の増加
(last modified Mon, 22 Aug 2016 10:20:06 GMT )
8月 22, 2016 19:20 Asia/Tokyo
  • 本日のトピック オバマ政権時代のアメリカの貧困率の増加

さまざまな報告は、オバマ政権時代にアメリカの貧困率が増加していることを示しています。

ミールターヘル解説員

アメリカの統計機関は、2009年から2013年の間に、アメリカの貧困率が増加したと発表しました。これによれば、この間、アメリカ社会全体の貧困率は14.4%、都市部では、32.7%増加しました。オバマ大統領もそれを認めています。オバマ大統領は、今年5月半ば、「この数十年、アメリカの経済格差は常に拡大している」と語りました。

アメリカでは、富裕層の上位10%が、残りの90%をあわせた資産よりも多くの資産を保有する一方で、数百万人の労働者に対して、十分な賃上げが行われていません。

 

ピューリサーチセンターの調査結果は、アメリカの中産階級の下位層への転落を示しています。2000年から2014年に行われたこの調査により、格差の拡大によって中産階級が下位層へ転落し、アメリカ社会に悪影響を及ぼす可能性があることが明らかになりました。また、最近の調査では、富裕層と貧困層の平均寿命の差が著しく拡大していることが明らかになっています。富裕層の平均寿命は、貧困層よりも15歳も高くなっています。これにより、2007年の金融危機の結果、アメリカの富裕層は、さらに富を増やし、貧困層はさらに貧しくなっていることが明らかになりました。中産階級の転落は、ここ数年、ウォール街占拠運動など、アメリカで資本主義体制に抗議する運動が起こっている中で、見られています。ウォール街占拠運動は、多くの要因によって生まれましたが、何よりもアメリカの国民がこの運動を支持した理由は、2つの重要な問題にありました。ひとつは、アメリカの経済状況により、彼らが、自分たちだけでなく、未来の子供たちの状況を懸念したということです。そして二つ目は、アメリカでの富や所得の格差に腹を立てていたということです。抗議者は、アメリカの経済状況を、不適切で不平等なものと見なしています。

アメリカのルー財務長官は、今年4月、階層格差が拡大していることを認めました。ルー長官は、「アメリカの所得格差は拡大している」と語りました。ルー長官は、この流れは現在だけでなく、過去数十年の流れの結果だとしています。また、2007年からの金融危機により、アメリカでの所得格差に対する不安が拡大し、それが格差を助長したとしています。ルー長官は、「この危機は、人々の懸念を増幅させ、危機が発生した場合、アメリカの経済状況がどれほど脆いものであるかを示した」と強調しました。