中国全人代代表の票の買収
中国の国会にあたる全国人民代表大会の一部の代表が、票を買収していたことが明らかになりました。この問題は中国共産党にとって懸念すべき問題となっています。
ガッファーリー解説員
全人代の代表数人が2013年から票を買収していたと言われています。こうした中、先月、共産党政治局は、全人代の代表と共にこの問題を明らかにするための会議を開きました。このことは中国の戦略における懸念事項を示しています。香港発行の新聞サウスチャイナモーニングポストも、この会議で2013年から遼寧省の代表をつとめる45人の資格を取り消すことを決定したと伝えました。
中国で不正行為を行った政党、政府、軍の関係者の数は数百万人を超えると言われています。かつて中国の国家主席を務めた江沢民氏も中国の政治的な腐敗の多さに関する発言を行っています。この発言は少なくとも10年以上前のものですが、これはひとつの政党によって運営されている世界最大の人口を誇る国での腐敗の根が目新しいものではないことを示しています。政党や政府の関係者の職権乱用、横領が始まると共に、この関係者を特定し裁判を行うための法的に厳しい措置がとられるようになりました。数千人が長期の禁固刑、数百人が死刑、数千人が職を剥奪されていますが、今も腐敗の流れは停止されていません。
政党、政府、軍の一部関係者が腐敗に足を踏み入れていることは明らかに、共産党への不信感の下地を整えるでしょう。政治家や軍関係者による不正資金や賄賂、横領は、大規模に行われており、年間10万件近い不正資金がらみの問題が司法当局によって審理されています。
当初、中国の司法体制は政党の幹部と連携し、まずは不正を行った関係者を辞任させ、それほど厳しくない警告を出し、統治体制の信用を維持しようとしましたが、このことは同時に、政党の上層部ですら、大規模な不正資金が停止されていないことを示しています。
ここ数年、国民に貢献するという政府のスローガンは、絶えず中国の指導者の政策に入っています。
社会に貢献する上での障害が何かについて、今も中国共産党は世論を納得させることができていません。中国全土の共産党の代表が、ロビー活動によって票を買収し、全人代の代表になることができるということは、明らかに懸念すべき問題です。なぜなら全人代でこうした代表の数が増えれば、優位な立場から法律を自分達の有利に制定したり、変えたりすることができるからです。これは世界最大の政党、中国共産党に基本的な打撃を与える開始点になります。これは歴史的な裁判で非難されるのが、まぎれもなく中国共産党であることを意味しているのです。