11月 07, 2016 20:01 Asia/Tokyo
  • FBIのクリントン氏の不起訴

アメリカのFBI連邦捜査局が、私用メール問題でクリントン氏の訴追を求めないことを明らかにしました。

アボルファトフ解説員

FBIのコミー長官はアメリカ議会に提示した書簡の中で、アメリカ大統領選挙の民主党候補、クリントン氏の最近見つかったメールを再捜査した結果、訴追を求めないとするFBIのこれまでの結論に変わりはない、としました。選挙の48時間前に提示されたこの書簡では、FBIはクリントン氏の新たなメールに関する捜査を完了した、とされています。この書簡により、クリントン氏のメール問題をめぐる捜査は、再度終結しました。

およそ10日前、FBIのコミー長官は、クリントン氏のメールが新たに見つかったことについて、アメリカ議会に書簡を送り、選挙戦にショックを与えました。FBIはクリントン氏の側近の夫の道徳問題に関する捜査の中で、クリントン氏の不審なメール数十万件を発見しました。FBIは問題の重大さと更なる捜査を理由に、クリントン氏のメール問題に関する捜査を再開すると発表しました。この報道は、選挙戦においてクリントン勢にとって大きな痛手となり、世論調査で、共和党候補のトランプ氏との差を大きく縮めることになりました。民主党はFBIの長官を選挙に影響を及ぼそうとしていると非難しました。これに対して、共和党はコミー長官の措置を賞賛しました。

現在、形勢は逆転しています。クリントン氏は、FBIの新たな決定を歓迎し、トランプ氏はそれを非難しています。民主党勢は、FBI長官の議会への書簡により、クリントン氏への非難が取り除かれ、民主党候補に対する支持率が高まっています。共和党、特にトランプ氏自身はこの決定について、政治団体がクリントン氏を守った結果だとしています。

とはいえ、今もFBIの方針の変更が、クリントン氏の受けたダメージをどの程度修復できるかは分かりません。とくに統計によれば、有権者2億人のうち、期日前に、4000万人以上が投票を行っています。投票を行った4000万人の一部は、クリントン氏のメール問題を巡るFBIの捜査の開始の影響を受けていることは、十分に予測できます。

いずれにせよ、コミー長官の議会への最近の書簡が選挙の行方を左右するであろうことはさておき、現在二つの疑問が存在します。一つはFBIはなぜ再捜査の決定を下したのかというもの、もうひとつはなぜ再捜査の完了を発表したのかというものです。この二つの問いへの回答は、おそらくアメリカ政府の舞台裏の権力闘争の拡大する複雑な側面を明らかにする可能性があるのです。

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