米ワシントン研究所:「イラン外相は米国に巧みに対抗」
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イランのセイイェド・アッバース・アラーグチー外相
アメリカのある研究所がアラーグチー・イラン外相の性格的特性に言及し、「イラン外相はアメリカ大統領がどのように言語を発するかを知っている」としました。
親イスラエル系アメリカ人のシンクタンク、ワシントン近東政策研究所(通称;ワシントン研究所)は報告書の中で「イラン外相はトランプ米大統領の語彙を使うことで、大統領とその支持層に語りかけるだけでなく、イランに有利になるよう巧みにチェス盤を変化させようとしている」と表明しています。
【ParsToday国際】同研究所は、「イラン外相は英語が堪能でアメリカの政治的レトリックを鋭く理解している」との見解を示しました。また「アラーグチー外相は時折大文字を使うなど、トランプ大統領のコミュニケーションスタイルを模倣することで、イランにとって必要な望ましい合意成立の可能性を高めることを目指す、抜け目のない外交官であることを示した」と記しています。
イランの外交官らは、トランプ大統領の話法や交渉スタイルを注意深く研究してきたものと見られます。イランが最近になって、トランプ政権によるロシア・ウクライナ交渉の制御コントロール術に学び、また、論理に外れた行動やトランプ大統領への個人攻撃なしに米国を引き下がらせるノウハウを学んだことは間違いありません。
ワシントン研究所の報告書ではさらに「去る4月12日に米国とイランの間接的な協議が始まって以来、アラーグチー外相はトランプ大統領とその支持層の注目を集めるため、ある系統だった手法により話法を展開してきた」とされています。
加えて、「アラーグチーは大統領の取引本能をそそるべく、イランをアメリカにとっての『1兆ドルのチャンス』と宣伝した」とも述べられています。
続けて「イラン外相は『JCPOA対イラン核合意はもはや十分ではないため、イランは2015年のような新たな合意を望んでいない』と強調しており、トランプ大統領が2018年にJCPOAから離脱したことは、同大統領も『新たなJCPOA』を望んでいないことの証拠である」との見解を示しています。
ワシントン研究所は最後に「全体として、アラーグチー外相の積極的かつ戦略的なメッセージは、緊迫化する米国の政治環境と交渉の誘導に向けた彼の努力を際立たせている。どうやらアラーグチー外相は、は適切な口調で攻撃しようと決意していると思われる。それは、イランが米国帝国主義と見なすものに対するイランの強さを示すのに十分な断定性を持ちつつも、『最大限の圧力』の手綱を持つ予測不可能な1人の大統領への侮辱を回避するのに十分な程度のものである」と結論付けています。