トランプ氏、選挙公約の撤回
アメリカ大統領選挙の結果に対する抗議デモが続く中、この選挙で勝利したトランプ氏は、選挙戦で行っていた一部の公約を撤回しています。
アボルファトフ解説員
トランプ氏はインタビューの中で、オバマ政権が推進した医療保険制度改革・オバマケアの一部を維持すると語りました。また、クリントン氏の私用メール問題について、特別の検察官を任命することについては、現状では決断を下していないと述べました。トランプ氏は同時に、「クリントン元大統領の助言を利用する」と述べています。トランプ氏の外交政策顧問の一人も、「トランプ氏は、イランとの核合意を見直すだろう」と強調しました。
トランプ氏は、選挙戦の中で、ホワイトハウス入りを果たした場合、オバマケアを完全に廃止するとしていました。また、核合意を破り、アメリカの腐敗を撲滅すると語っていました。
トランプ氏の支持者たちは、腐敗の撲滅やオバマケアの廃止といった一部のスローガンに共鳴し、トランプ氏に票を投じました。トランプ氏も、政治的な経験には乏しいものの、アメリカの現在の状況に対する国民の不満により、現状の変更への期待から、アメリカ大統領に選ばれました。
予想に反したトランプ氏の勝利から、まだ数日が経ったばかりだというのに、トランプ氏は選挙戦での公約を撤回しています。選挙前にも、すでに一部の公約の実施はほぼ不可能であることが明らかでした。例えば、国連安保理の決議になっている核合意を破ることは、国際社会の反応なしに行うことのできるものではありません。また、何百万人ものアメリカの低所得層が恩恵を受けているオバマケアを廃止すれば、社会的、経済的に大きな影響が出るでしょう。
アメリカ政府の腐敗対策についても、この国の政治・財政制度は寡頭制で、簡単に覆されるようなシステムではありません。特にトランプ氏やその一族は、このような少数の支配階級に属しています。こうした中、トランプ氏は、アメリカ大統領の座に就くためにさまざまなスローガンを掲げましたが、それらはアメリカの不満を抱いた怒れる一般の人々を満足させただけのものでした。彼らは、これまでとは異なるアメリカを見たい一心で投票所に足を運びました。こうした中、トランプ氏は、大統領に就任する前から、すでに支持者の期待を裏切っています。
とはいえ、選挙後であっても、アメリカでの変革を求める要求を無視することは、勝者にマイナスの結果をもたらし、アメリカでの不信感を高めることになるのです。