APEC首脳会議と今後の課題
APECアジア太平洋経済協力首脳会議が、ペルーの首都リマで開催されています。
IRIBディーンヤーリヤーン解説員
APECの今年の会議の議題は、「成長と開発」とされています。この会議では、経済界の指導者や代表が、地域の経済的な連携、アジア太平洋自由貿易区、サービス産業の協力などについて意見交換を行っています。
アメリカ大統領選挙でトランプ氏が選出され、彼の一部の政策が不透明であること、そして地域協力の停止と貿易協定への疑問の提示というトランプ氏の選挙戦における立場から、今回のAEPC首脳会議の議題は緊張と懸念に満ちた雰囲気の中で提起されています。
APECは、アジア太平洋地域の国々による経済組織で、加盟国の首脳は、政治・経済関係の改善を目的に、1989年以来、毎年会合を開催しています。APECの加盟国は、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイ、台湾、香港、パプアニューギニア、中国、メキシコ、チリ、ペルー、ロシア、アメリカ、ベトナムの21カ国です。この組織は、世界経済の60%近く、世界の人口の40%を占めています。
APECの加盟国は、対立や問題を解決し、経済を強化するために、地域協力を高めようとしています。しかし、トランプ氏の選出と貿易に反する彼のスローガン、イギリスのEU離脱などの問題が、この組織の先行きを不透明にしています。ペルーのクチンスキ大統領は、APEC首脳会議の開幕式で、アメリカとイギリスの貿易対抗政策の拡大に懸念を示し、貿易に反するこの政策への世界的な対策を求めました。
この会議は、世界の多くの国が、失業、インフレ、経済成長率の低迷、貧困、債務危機といった問題を抱えている中で行われています。さらに、アメリカと中国の経済問題を巡る緊張の拡大と欧米の貿易摩擦が、状況を複雑にしています。これまでの会議では、貿易協定に基づく地域・国際協力の拡大と自由貿易の拡大に努力が集中していましたが、現在は一部の国における状況の変化が懸念を煽っています。トランプ氏の次期大統領選出は、経済分野における懸念を拡大しており、アメリカの同盟国の間にも疑いを引き起こしています。
トランプ氏は、選挙戦の討論会で、気候変動に関するパリ協定などの合意の意義に疑問を呈しました。また、国内の生産への支援を名目に、アメリカとメキシコ、カナダが参加する北米自由貿易協定に矛先を向けました。
現在の状況の中で、世界の貿易成長と地域や世界レベルでの協力の拡大が、経済危機を脱するための唯一の方法になっています。しかし、状況は、この協力に向けて地域、国際規模での共通の決定を下す上で、より厳しい時代が始まっていることを示しています。貧困、失業、生産の縮小や経済成長の低下は、世界の多くの国で続いており、APEC加盟国も、現在の政治・経済的な変化に注目すると、現状を打開する解決策を見いだせそうにもありません。こうした中、APECの会議の優先事項には、貿易協定や特恵待遇の制限、国内経済の強化に向けた変更、地域の経済協力、人材開発といった問題が据えられています。