ミャンマーのイスラム教徒殺害に対する抗議の継続
(last modified Wed, 21 Dec 2016 11:12:39 GMT )
12月 21, 2016 20:12 Asia/Tokyo
  • ミャンマーのイスラム教徒殺害に対する抗議の継続

ミャンマーのロヒンギャ族のイスラム教徒の殺害を非難するデモが、インドの首都ニューデリーにまで広がっています。

ヴァガーリー解説員

国際社会が、ロヒンギャ族のイスラム教徒の危機的な状況に無関心な中、インドをはじめとする世界各地で、大規模なデモが行われ、ロヒンギャ族に対する攻撃が非難されると共に、この虐殺の終結が求められています。

20日火曜、ニューデリーで、ロヒンギャ族や移民、インドの人々による大規模なデモが行われ、ミャンマーのイスラム教徒の殺害が非難されました。このデモでは、ミャンマーのイスラム教徒に対する圧制は集団虐殺だとされました。抗議者は、ニューデリーの国連事務所の前に集まり、この問題に対する国連の無関心に怒りをあらわしました。

この数週間、一部の政府や国連、人権団体は、ミャンマー政府によるロヒンギャ族のイスラム教徒の民族浄化を非難しています。しかし、懸念材料となっているのは、ミャンマー政府に犯罪者からのロヒンギャ族の保護を促すために、具体的な措置が講じられていないことです。ミャンマーのロヒンギャ族は、政府、軍、過激派仏教徒、ナショナリストの4つのグループから攻撃を受けており、2012年から激化しています。イスラム教徒はミャンマーで市民権を有していないため、これらの攻撃に対して自分たちを守るべき術を持っていません。

ミャンマーのアウンサンスーチー国家顧問兼外相は、仏教徒の支持を必要としており、過激派仏教徒のイスラム教徒に対する攻撃に沈黙しています。軍も、イスラム教徒が攻撃されているミャンマー西部ラカイン州の危機的な地域を危険区域とし、彼らの状況を調査しようとする団体の立ち入りを禁止しています。このような状況の中、イスラム教徒に対する犯罪に積極的に参加している仏教徒のグループのひとつが、アシン・ウィラトゥを指導者とする仏教過激派組織、969運動です。彼らはロヒンギャ族のイスラム教徒に対する大規模なプロパガンダを展開し、ミャンマーの人々を扇動しています。アシン・ウィラトゥは、イスラム教徒はミャンマーを支配しようとしており、彼らをミャンマーから追い出すべきだと主張しています。

ミャンマー政府も過激派仏教徒らの影響を受け、イスラム教徒に対して厳しい法を制定しており、国際社会の要請にも拘わらず、彼らに市民権を与えていません。このような状況の中、ロヒンギャ族のイスラム教徒や人権活動家は、国連に対し、平和を守るというこの機関の規定に則り、イスラム教徒の権利を支持することを期待しています。

国連は声明の中で、ミャンマーのイスラム教徒に対する犯罪を非難していますが、期待されているのは、具体的な措置であり、ミャンマーの政府と軍によるこのような人道に反する犯罪を止めさせることです。この犯罪の問題を国連安保理に付託する、あるいはミャンマーに対して制裁を行使する、といった措置により、ロヒンギャ族のイスラム教徒に対する圧力の削減を促すことができるのです。